虫垂原発印環細胞癌の1例
今回, 我々は極めてまれとされている虫垂原発印環細胞癌の1例を経験した. 症例は66歳の男性で, 右下腹部腹痛を主訴に来院した. 右下腹部にBlumberg徴候を伴う圧痛を認めた. 白血球数16,500/μl, CRP18.9mg/dlと炎症所見が高度であり, 腹部超音波検査で腫大した虫垂を認めたため, 急性虫垂炎と診断し, 虫垂切除術を施行した. 切除標本の病理組織学的検査で, 印環細胞癌と診断されたため, 第53病日に腹腔鏡補助下回盲部切除術 (D3郭清) を施行した.術後化学療法を施行しつつ外来にて経過観察中であるが, 22か月経過した現在も無再発生存中である. 急性虫垂炎では, 切除標...
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| Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 39; no. 3; pp. 373 - 376 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2006
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI | 10.5833/jjgs.39.373 |
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| Summary: | 今回, 我々は極めてまれとされている虫垂原発印環細胞癌の1例を経験した. 症例は66歳の男性で, 右下腹部腹痛を主訴に来院した. 右下腹部にBlumberg徴候を伴う圧痛を認めた. 白血球数16,500/μl, CRP18.9mg/dlと炎症所見が高度であり, 腹部超音波検査で腫大した虫垂を認めたため, 急性虫垂炎と診断し, 虫垂切除術を施行した. 切除標本の病理組織学的検査で, 印環細胞癌と診断されたため, 第53病日に腹腔鏡補助下回盲部切除術 (D3郭清) を施行した.術後化学療法を施行しつつ外来にて経過観察中であるが, 22か月経過した現在も無再発生存中である. 急性虫垂炎では, 切除標本の病理組織的検査を含めて粘膜面を詳細に検索し, 虫垂腫瘍の見逃しを防ぐことが重要と考えられた. |
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI: | 10.5833/jjgs.39.373 |