小型非小細胞肺癌に対する術式選択 縮小手術適応アルゴリズムの策定

小型肺癌に対する縮小手術のコンセンサスは未だ不十分である.我々は小型肺癌に対する縮小手術の適応に関し,径2cm以下肺癌切除例168例を対象に,CT所見・腫瘍径・血清CEA値・胸膜浸潤を変数として後ろ向き解析を行いアルゴリズムを策定した.全症例の5年無再発生存率(5Y-DFS)は90.3%であった.GGO優位病変50例にはリンパ節転移や術後再発は認めず.充実性優位病変36例ではリンパ節転移を1例,再発を2例に認めた.充実性病変82例では,14例(17.1%)にリンパ節転移を認めCEA高値例に多い傾向であった.5Y-DFSは81.1%でCEA高値例と胸膜浸潤例に再発が多かった.小型肺癌において,G...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 7; pp. 1004 - 1010
Main Authors 新谷, 康, 奥村, 明之進, 南, 正人, 門田, 嘉久, 井上, 匡美, 澤端, 章好, 中桐, 伴行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.11.2010
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.24.1004

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Summary:小型肺癌に対する縮小手術のコンセンサスは未だ不十分である.我々は小型肺癌に対する縮小手術の適応に関し,径2cm以下肺癌切除例168例を対象に,CT所見・腫瘍径・血清CEA値・胸膜浸潤を変数として後ろ向き解析を行いアルゴリズムを策定した.全症例の5年無再発生存率(5Y-DFS)は90.3%であった.GGO優位病変50例にはリンパ節転移や術後再発は認めず.充実性優位病変36例ではリンパ節転移を1例,再発を2例に認めた.充実性病変82例では,14例(17.1%)にリンパ節転移を認めCEA高値例に多い傾向であった.5Y-DFSは81.1%でCEA高値例と胸膜浸潤例に再発が多かった.小型肺癌において,GGO優位病変と1.5cm以下の充実性優位病変には区域切除を適応しうるが,充実性病変で1cmを超える場合は肺葉切除の適応であり,1cm以下でも縮小手術の適応は慎重を期すべきである.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.24.1004