脳病変を伴った好酸球性肉芽腫症の1例

症例は32歳, 男性, 喫煙者. 昭和63年9月, 突然の右上肢のしびれ感で来院, 頭部CTで左側頭葉に造影効果の見られる iso density の病変が見られ, 脳腫瘍の疑いで入院した. 自覚症状はグリセロールの点滴で約1ヵ月で改善した. CTは2週間後には周囲に low density を伴ったが2ヵ月後には異常は見られなくなった. 確定診断が付かないまま経過観察されていたところ平成元年3月気胸を契機に胸部X線で上肺野に優位な間質影が指摘された. 経気管支肺生検で血管周囲に組織球の集簇した肉芽腫を認めS-100蛋白が陽性であったことより好酸球性肉芽腫症と診断した. 好酸球性肉芽腫症の脳病...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 2; pp. 271 - 274
Main Authors 五藤, 雅博, 山腰, 雅宏, 黒木, 秀明, 川上, 誠, 児島, 康浩, 宇佐美, 郁治, 山本, 俊信
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.02.1993
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.31.271

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Summary:症例は32歳, 男性, 喫煙者. 昭和63年9月, 突然の右上肢のしびれ感で来院, 頭部CTで左側頭葉に造影効果の見られる iso density の病変が見られ, 脳腫瘍の疑いで入院した. 自覚症状はグリセロールの点滴で約1ヵ月で改善した. CTは2週間後には周囲に low density を伴ったが2ヵ月後には異常は見られなくなった. 確定診断が付かないまま経過観察されていたところ平成元年3月気胸を契機に胸部X線で上肺野に優位な間質影が指摘された. 経気管支肺生検で血管周囲に組織球の集簇した肉芽腫を認めS-100蛋白が陽性であったことより好酸球性肉芽腫症と診断した. 好酸球性肉芽腫症の脳病変は稀であるが, 頭部CT所見も矛盾しないため本症の脳病変が強く疑われた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.31.271