肝細胞癌手術における術中超音波検査の問題点と対策

肝細胞癌手術における術中超音波検査の問題点およびその対策について検討した. 術中超音波検査により肝細胞癌95例中92例が存在診断できたが, 3例がfalse negativeとなった. 切除標本で肉眼的に認められた門脈腫瘍塞栓は全例診断可能であったが, 肝内転移巣の診断は特に5mm以下で不良であった. 術中超音波像で肝内転移巣と再生結節の鑑別をするのは困難であり, 6例のfalse positive例を経験した. 以上の問題点に対して, 1) 介在物質としてレストンを用いる, 2) 鑑別困難な低エコー部には, マイクロ波メスもしくはエタノール注入による凝固療法を行う, などの対策をとっており,...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 20; no. 3; pp. 733 - 738
Main Authors 有我, 隆光, 向井, 稔, 竜, 崇正, 磯野, 可一, 古川, 敬芳, 長島, 通, 丸山, 尚嗣, 高, 在完, 天野, 穂高
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1987
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.20.733

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Summary:肝細胞癌手術における術中超音波検査の問題点およびその対策について検討した. 術中超音波検査により肝細胞癌95例中92例が存在診断できたが, 3例がfalse negativeとなった. 切除標本で肉眼的に認められた門脈腫瘍塞栓は全例診断可能であったが, 肝内転移巣の診断は特に5mm以下で不良であった. 術中超音波像で肝内転移巣と再生結節の鑑別をするのは困難であり, 6例のfalse positive例を経験した. 以上の問題点に対して, 1) 介在物質としてレストンを用いる, 2) 鑑別困難な低エコー部には, マイクロ波メスもしくはエタノール注入による凝固療法を行う, などの対策をとっており, その有用性が期待される.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.20.733