各種びまん性肺疾患における肺胞マクロファージの細胞回転

各種びまん性肺疾患で, 肺胞マクロファージ (AM) が活性化されていることはすでに明やかであるが, AMが肺局所で増殖する可能性についてはまだ明らかにされていない. 今回フローサイトメトリーを用いてAMのDNA量を測定検討した. 数量的に評価するため DNA Histogram を作成し, Fried 分析にてS期量をもとめた. 正常対照では11.43±1.14% (n=3) であったが, 特発性間質性肺炎では52.4±9.45% (n=4), 慢性気管支炎では48.08±10.82% (n=4) と著増していた. サルコイドーシスでは45.01±25.43% (n=12) と平均では増加し...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 24; no. 7; pp. 774 - 778
Main Authors 吉川, 公章, 森下, 宗彦, 荒川, 啓基, 高田, 勝利, 山本, 正彦, 浅井, 学, 佐道, 理文
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.07.1986
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.24.774

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Summary:各種びまん性肺疾患で, 肺胞マクロファージ (AM) が活性化されていることはすでに明やかであるが, AMが肺局所で増殖する可能性についてはまだ明らかにされていない. 今回フローサイトメトリーを用いてAMのDNA量を測定検討した. 数量的に評価するため DNA Histogram を作成し, Fried 分析にてS期量をもとめた. 正常対照では11.43±1.14% (n=3) であったが, 特発性間質性肺炎では52.4±9.45% (n=4), 慢性気管支炎では48.08±10.82% (n=4) と著増していた. サルコイドーシスでは45.01±25.43% (n=12) と平均では増加していたが低値から高値のものまであった. 測定精度, AM回収時に混入するリンパ球, 貪食顆粒, RNAなどの影響を検討したが, 得られた DNA Histogram の増加は, 細胞回転上増殖期を示すものと考えられた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.24.774