大学歯学部附属病院におけるICT巡回の成果

東北大学歯学部附属病院では, 院内感染対策を具体的に実践する組織として, 従来からある院内感染対策委員会, 院内感染対策専門委員会に加えて, 2003年3月にインフェクション・コントロール・チームを発足させた. そして, 同年9月より, 各治療室および関連部署の巡回を開始し, 翌年3月までの期間に月2回のペースで, 全ての治療室および関連部署, 計25箇所を巡回した. 当病院でのインフェクション・コントロール・チームによる巡回は, 国立大学歯学部附属病院としては最初であり, 今回, 巡回の概要と得られた成果について報告した. 巡回の結果, 改善された主な成果を下記に示す. 1. 車椅子患者が容...

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Published in環境感染 Vol. 21; no. 2; pp. 130 - 134
Main Authors 國島, 広之, 玉澤, かほる, 金光, 敬二, 玉澤, 佳純, 安倍, 敏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本環境感染学会 30.06.2006
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ISSN0918-3337
1884-2429
DOI10.11550/jsei1986.21.130

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Summary:東北大学歯学部附属病院では, 院内感染対策を具体的に実践する組織として, 従来からある院内感染対策委員会, 院内感染対策専門委員会に加えて, 2003年3月にインフェクション・コントロール・チームを発足させた. そして, 同年9月より, 各治療室および関連部署の巡回を開始し, 翌年3月までの期間に月2回のペースで, 全ての治療室および関連部署, 計25箇所を巡回した. 当病院でのインフェクション・コントロール・チームによる巡回は, 国立大学歯学部附属病院としては最初であり, 今回, 巡回の概要と得られた成果について報告した. 巡回の結果, 改善された主な成果を下記に示す. 1. 車椅子患者が容易に出入りができるように, 治療室内の通路幅が確保された. 2. 滅菌後の器具を, 滅菌袋から出してテーブルの上に置いている治療室が多かったが, 使用直前に滅菌袋から取り出すように改善された. 3. 手洗い場の水の飛散防止用の遮蔽板が設置された. 4. 医療廃棄物容器が統一され, 感染性廃棄物は蓋付きの容器, 非感染性廃棄物は蓋の容器, 鋭利な物は耐貫通性容器となった. 5. 放射線室の手洗い方法が, ベースン法 (本院で唯一残っていた) から, ポンプ式消毒剤とペーパータオルに改善された. 6. 放射線技師, 臨床検査技師のゴム手袋の装着が励行されるようになった. 7. ごみ袋の変更により, 経費節減ができた. 8. ICT巡回のまとめを発行して, 治療室および関連部署に配布し, 情報の共有化を図った.
ISSN:0918-3337
1884-2429
DOI:10.11550/jsei1986.21.130