左心バイパス中の右心機能の評価法について RV pressure-dimension curveの有用性についての検討

右室pressure-dimension curve (R-PDC)をreal timeに自動的に描出できるシステムを作成し, 心筋の局所的障害の存在下に左心バイパスを施行した際の右心機能変化を血行動態とR-PDCをあわせて検討した。雑種成犬18頭をI-正常心群5頭, II-右室自由壁虚血群5頭, III-心室中隔虚血群8頭の3群に分け, 完全左心バイパスを施行した。このとき右心機能変化を各群間で比較した。3群とも肺動脈平均圧および肺血管抵抗は有意に変化しなかった。血行動態的にはI, II群とも右心機能変化はみられなかったが, III群では, 右房圧はI, II群に比し有意に高値をとり, 右室...

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Published in人工臓器 Vol. 15; no. 2; pp. 567 - 570
Main Authors 川口, 章, 野村, 文一, 川島, 康生, 笹子, 佳門, 西垣, 恭一, 松若, 良介, 広瀬, 一, 中埜, 粛, 榊原, 哲夫, 大谷, 正勝, 松田, 暉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.04.1986
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.15.567

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Summary:右室pressure-dimension curve (R-PDC)をreal timeに自動的に描出できるシステムを作成し, 心筋の局所的障害の存在下に左心バイパスを施行した際の右心機能変化を血行動態とR-PDCをあわせて検討した。雑種成犬18頭をI-正常心群5頭, II-右室自由壁虚血群5頭, III-心室中隔虚血群8頭の3群に分け, 完全左心バイパスを施行した。このとき右心機能変化を各群間で比較した。3群とも肺動脈平均圧および肺血管抵抗は有意に変化しなかった。血行動態的にはI, II群とも右心機能変化はみられなかったが, III群では, 右房圧はI, II群に比し有意に高値をとり, 右室拡張末期圧はII群に比し, 有意に高値であった。また, RV maxdp/dt, 右室短軸径短縮率(RV-FS)はI群に比し, 有意に低値であった。同時に描出したR-PDCでは, III群では虚血作成より経時的にloopは右上方へ横幅を減じながら移動した。このことより, III群において右室収縮機能は低下していることが示唆された。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.15.567