完全閉鎖型人工心肺回路の臨床応用 容易な体外循環操作の実現へ

循環血液流量と貯血槽の管理を独立させた完全閉鎖型回路を考案した。本回路の大きな特徴は,貯血槽を体外循環回路の中に置かず,脱血回路から分岐した回路の先端に取り付け,貯血量を貯血量調整用のローラーポンプにより管理することである。本回路を臨床応用した結果,送血流量を変化させても貯血量に影響を与えることがなく,送血流量,貯血量はつまみ一つで容易に調節できた。特に,従来は難しくかつ不安定であった体外循環の開始および離脱操作が容易になった。この事により,技術者は他の安全管理に意識を向けることが可能となり,結果的に体外循環の安全性が向上すると考えられる。...

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Published in体外循環技術 Vol. 24; no. 3; pp. 28 - 33
Main Authors 北村, 麻未, 前田, 孝雄, 又吉, 盛博, 安藤, 勝信, 百瀬, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 25.05.1998
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.24.3_28

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Summary:循環血液流量と貯血槽の管理を独立させた完全閉鎖型回路を考案した。本回路の大きな特徴は,貯血槽を体外循環回路の中に置かず,脱血回路から分岐した回路の先端に取り付け,貯血量を貯血量調整用のローラーポンプにより管理することである。本回路を臨床応用した結果,送血流量を変化させても貯血量に影響を与えることがなく,送血流量,貯血量はつまみ一つで容易に調節できた。特に,従来は難しくかつ不安定であった体外循環の開始および離脱操作が容易になった。この事により,技術者は他の安全管理に意識を向けることが可能となり,結果的に体外循環の安全性が向上すると考えられる。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.24.3_28