下部進行直腸癌に対し放射線化学療法を併用し局所切除を施行した1例

症例は71歳の男性で, 深達度T2の下部直腸癌に対し, 術前放射線化学療法を施行し, T1への腫瘍縮小を認めたことから, 十分なインフォームドコンセントのうえ, 局所切除術を施行した. 病理診断でpathological complete responseであった. 術後化学療法も併用し, 術後3年5か月無再発生存中である. 下部進行直腸癌に対する手術は, 補助療法の進歩に伴い, 機能温存ならびに縮小へと向かう傾向にあるが, 放射線化学療法を併用し, 局所切除術で対応することに十分なコンセンサスは得られておらず, 今回良好な経過を認めた1例を経験したので報告する....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 146 - 151
Main Authors 奥川, 喜永, 井上, 靖浩, 尾嶋, 英紀, 小林, 美奈子, 三木, 誓雄, 渡部, 秀樹, 楠, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2007
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.40.146

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Summary:症例は71歳の男性で, 深達度T2の下部直腸癌に対し, 術前放射線化学療法を施行し, T1への腫瘍縮小を認めたことから, 十分なインフォームドコンセントのうえ, 局所切除術を施行した. 病理診断でpathological complete responseであった. 術後化学療法も併用し, 術後3年5か月無再発生存中である. 下部進行直腸癌に対する手術は, 補助療法の進歩に伴い, 機能温存ならびに縮小へと向かう傾向にあるが, 放射線化学療法を併用し, 局所切除術で対応することに十分なコンセンサスは得られておらず, 今回良好な経過を認めた1例を経験したので報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.40.146