シクロスポリン投与によりステロイドの減量が可能であった特発性好酸球増多症の1例

症例は41歳男性. 気管支喘息加療中に発熱, 湿性咳嗽, 呼吸困難増悪し, 胸部X線で両肺の浸潤影と, 末梢血の好酸球数増多を認めた. 近医にてパルス療法後のステロイド減量に伴い症状の再燃を認め当院へ転院となった. 症状, 検査所見から, 本症例は特発性好酸球増多症と診断され, シクロスポリンの併用によって, ステロイドの減量が可能となり退院となった. 免疫抑制剤は近年, その作用機序がステロイドと異なるため, 特発性好酸球増多症を含む難治性肺疾患においてその効果が期待されている. 本症例において臨床的にもシクロスポリンが効果的であったことは興味深く思われた....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 5; pp. 541 - 545
Main Authors 佐藤, 哲夫, 秋山, 佳子, 深草, 元紀, 南谷, めぐみ, 小野寺, 怜悧, 神宮, 希代子, 古田, 島太, 木村, 啓, 堀越, 一昭, 清水, 歩
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.05.1997
Subjects
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.35.541

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Summary:症例は41歳男性. 気管支喘息加療中に発熱, 湿性咳嗽, 呼吸困難増悪し, 胸部X線で両肺の浸潤影と, 末梢血の好酸球数増多を認めた. 近医にてパルス療法後のステロイド減量に伴い症状の再燃を認め当院へ転院となった. 症状, 検査所見から, 本症例は特発性好酸球増多症と診断され, シクロスポリンの併用によって, ステロイドの減量が可能となり退院となった. 免疫抑制剤は近年, その作用機序がステロイドと異なるため, 特発性好酸球増多症を含む難治性肺疾患においてその効果が期待されている. 本症例において臨床的にもシクロスポリンが効果的であったことは興味深く思われた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.35.541