C型慢性肝炎に対するインターフェロンαの抗線維化作用 コンピューター画像による形態計測法の応用
Interferon(IFN)-αが抗線維化作用を有するかどうか, 治療前の肝組織がstage F3であったC型慢性肝炎82例を対象として検討した. IFN投与群(A群)はIFN-αを6ヵ月間, 計480-880MU投与し, 投与終了時および終了6ヵ月後, HCV-RNAは陰性化せずALT値も持続正常化しなかった無効例46例(男/女, 25/21, 平均年齢57.0歳), コントロール群(B群)はIFN投与歴がなく肝臓用剤のみを投与した36例(男/女, 24/12, 平均年齢57.6歳)とした. 治療前後のALT値の変動パターンから, (a): 常に正常の2倍(60IU/L)未満, (b):...
Saved in:
| Published in | 医療 Vol. 53; no. 4; pp. 246 - 250 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.04.1999
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI | 10.11261/iryo1946.53.246 |
Cover
| Summary: | Interferon(IFN)-αが抗線維化作用を有するかどうか, 治療前の肝組織がstage F3であったC型慢性肝炎82例を対象として検討した. IFN投与群(A群)はIFN-αを6ヵ月間, 計480-880MU投与し, 投与終了時および終了6ヵ月後, HCV-RNAは陰性化せずALT値も持続正常化しなかった無効例46例(男/女, 25/21, 平均年齢57.0歳), コントロール群(B群)はIFN投与歴がなく肝臓用剤のみを投与した36例(男/女, 24/12, 平均年齢57.6歳)とした. 治療前後のALT値の変動パターンから, (a): 常に正常の2倍(60IU/L)未満, (b): 常に60IU/L以上, (c):(a), (b)以外の3サブグループに分け, 各サブグループごとにA, B両群間のstagingの改善率を比較した. また治療前後で同じstage F3の場合は, 鍍銀染色標本をAdobe Photoshopに取り込み画像上, 生検組織全体に占める線維化部分の面積をそれぞれpixel数で出し線維化率を求めて治療前後で比較し, 改善または悪化に区別した. 平均肝生検間隔期間はA群38.0±22.9ヵ月, B群32.3±18.6ヵ月で有意差はなかった. 結果: stagingの改善率は全例ではA群のほうが有意に改善した. ALTの各サブグループ別ではいずれもA群のほうが高率に改善したが有意差はみられなかった. 肝線維化のマーカーである血清aminoterminal peptide of typeIII procollagen (PIIIP)の年変化率の平均を比較したところ, 各サブグループ別, 全例ともにA群では負, すなわち改善傾向が, B群では正, すなわち悪化傾向がみられたが両群間に有意差はなかった. 以上より, IFN-αは肝臓用剤より抗線維化作用を有する可能性が示唆された. |
|---|---|
| ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI: | 10.11261/iryo1946.53.246 |