インターフェロン療法著効後に2回の再発を来したHCV陽性肝細胞癌の1例

症例は72歳の男性で, 1996年6月, 細胞癌に対し肝右葉切除術を施行した. 病理所見は3cm, 中分化型肝細胞癌, vv0, vp0, im0であった. 術後3か月後からインターフェロン療法を行い著効し, その後もHepatitis C virus-ribonucleic acid (HCV-RNA) の再出現や肝機能異常はなかった. 2001年1月, 肝S4に再発を認め, 肝S4切除術を施行した. 病理所見は2cm, 中分化型肝細胞癌, vv0, vp0, im0であった. 2003年10月, 経過観察のための腹部エコー, CTにて肝S3に約1.8cm大の腫瘤を認め造影パターンより肝細胞...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 39; no. 2; pp. 209 - 214
Main Authors 大坪, 毅人, 有泉, 俊一, 片桐, 聡, 小寺, 由人, 樋口, 亮太, 吉利, 賢治, 桂川, 秀雄, 濱野, 美枝, 山本, 雅一, 高崎, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2006
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.39.209

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Summary:症例は72歳の男性で, 1996年6月, 細胞癌に対し肝右葉切除術を施行した. 病理所見は3cm, 中分化型肝細胞癌, vv0, vp0, im0であった. 術後3か月後からインターフェロン療法を行い著効し, その後もHepatitis C virus-ribonucleic acid (HCV-RNA) の再出現や肝機能異常はなかった. 2001年1月, 肝S4に再発を認め, 肝S4切除術を施行した. 病理所見は2cm, 中分化型肝細胞癌, vv0, vp0, im0であった. 2003年10月, 経過観察のための腹部エコー, CTにて肝S3に約1.8cm大の腫瘤を認め造影パターンより肝細胞癌と診断した. Aspartate aminotransferase, Alanine aminotransferase, 腫瘍マーカーは正常であった. 2003年10月下旬, 肝S3部分切除術を行った. 病理所見は中分化型肝細胞癌, vv0, vp0, im0であった. 術後12日目に退院し, 現在無再発生存中である. HCV陽性肝細胞癌術後のinterferon療法完全著効例の2回の多中心性発癌と思われる症例を経験した. このことから, interferon著効例でも長期の経過観察が必要であると考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.39.209