遺伝性運動・知覚ニューロパチーI型における呼吸筋機能異常に関する検討
遺伝性運動・知覚ニューロパチーI型 (HMSN I) は末梢神経障害が主体の疾患であるが, 近年, 横隔神経障害に関する報告が散見されており, その呼吸筋および睡眠時呼吸異常について検討した. 臨床的にHMSNIと診断された5名 (男3名, 女2名, 年齢55.4歳) を対象とした. スパイログラムおよび最大吸・呼気口腔内圧 (MIP・MEP) を測定し, 頸部表面刺激法による横隔神経伝導検査を行った. さらに, 日中の眠気など, 睡眠時呼吸異常が疑われた2名に終夜ポリソムノグラフィー (ANPSG) を施行した. 5名中2名が拘束性障害を呈し, いずれも肺胞低換気を伴っていた. また, 上記...
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| Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 34; no. 8; pp. 850 - 855 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.08.1996
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0301-1542 1883-471X |
| DOI | 10.11389/jjrs1963.34.850 |
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| Summary: | 遺伝性運動・知覚ニューロパチーI型 (HMSN I) は末梢神経障害が主体の疾患であるが, 近年, 横隔神経障害に関する報告が散見されており, その呼吸筋および睡眠時呼吸異常について検討した. 臨床的にHMSNIと診断された5名 (男3名, 女2名, 年齢55.4歳) を対象とした. スパイログラムおよび最大吸・呼気口腔内圧 (MIP・MEP) を測定し, 頸部表面刺激法による横隔神経伝導検査を行った. さらに, 日中の眠気など, 睡眠時呼吸異常が疑われた2名に終夜ポリソムノグラフィー (ANPSG) を施行した. 5名中2名が拘束性障害を呈し, いずれも肺胞低換気を伴っていた. また, 上記2名を含む4名に, MIPの低下と横隔神経活動電位の平均潜時延長を認め, 横隔膜筋力の低下および横隔神経障害が示唆された. ANPSGを施行した2例が中枢型優位の無呼吸を示した. HMSN Iでは横隔神経障害が稀ではなく, その診断にMIP測定や横隔神経の電気生理学的検査が有用と考えられた. |
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| ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
| DOI: | 10.11389/jjrs1963.34.850 |