舌, S状結腸, 肺に生じた同時性3重複癌の1例
重複癌は異なる臓器にそれぞれ原発性の癌が存在するものをいい, 診断時期が1年以内の場合を同時性としている. 今回われわれは舌癌, S状結腸癌, 肺癌の同時性3重複癌の1例を経験したのでその概要を報告する. 症例は64歳, 男性. 舌の腫瘤を主訴に来院し, 左側舌腫瘍と診断. 平成16年3月15日に腫瘍切除術施行. 術後当科の病理診断にて扁平上皮癌stageIIであった. 退院後の外来経過観察中に血痰, 便鮮血を認めたため, 消化器内科および呼吸器内科受診. 9月17日気管支鏡にて, 左側下葉に10mm大の結節性腫瘤性変化を認め, 病理診断は扁平上皮癌 (stageI) であった. 9月29日消...
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Published in | 有病者歯科医療 Vol. 16; no. 1; pp. 43 - 48 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本有病者歯科医療学会
30.04.2007
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Subjects | |
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ISSN | 0918-8150 1884-667X |
DOI | 10.11255/jjmcp1992.16.43 |
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Summary: | 重複癌は異なる臓器にそれぞれ原発性の癌が存在するものをいい, 診断時期が1年以内の場合を同時性としている. 今回われわれは舌癌, S状結腸癌, 肺癌の同時性3重複癌の1例を経験したのでその概要を報告する. 症例は64歳, 男性. 舌の腫瘤を主訴に来院し, 左側舌腫瘍と診断. 平成16年3月15日に腫瘍切除術施行. 術後当科の病理診断にて扁平上皮癌stageIIであった. 退院後の外来経過観察中に血痰, 便鮮血を認めたため, 消化器内科および呼吸器内科受診. 9月17日気管支鏡にて, 左側下葉に10mm大の結節性腫瘤性変化を認め, 病理診断は扁平上皮癌 (stageI) であった. 9月29日消化器内科でS状結腸に広基性ポリープを認め, 生検にて腺癌と診断. 11月12日S状結腸癌 (stageI) に対して内視鏡的粘膜切除術施行. 平成17年1月18日左側肺癌に対し左側肺下葉摘出術施行した. 舌に関しては術後約2年6か月経過しているが, 再発および所属リンパ節への転移は認められず, 経過は良好である. 本症例から全身的な精査が重複癌の早期発見に重要であり, 予後を良好なものにする. |
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ISSN: | 0918-8150 1884-667X |
DOI: | 10.11255/jjmcp1992.16.43 |