僧帽弁閉鎖不全症に対する弁尖形成プレートの開発 摘出心静的モデルによる実験的検討

僧帽弁閉鎖不全症, 特に前尖逸脱例における僧帽弁形成術の簡素化にむけて, 弁尖逸脱部位に金属薄層プレート固定を行い, 弁形成術を行う方法を考案した. 実験一ブタ摘出心12個を用いた. 生理食塩水を経大動脈弁的に90mm H2O圧にて, 左室に注入し, 僧帽弁閉鎖モデルを作成した. 正常僧帽弁の観察から, 弁尖形状に一致した三次元構造を有するステンレス製薄層プレートを作成した. 前尖腱索断裂モデル作成後, 8例にて合成樹脂接着法, 4例にて縫合接着法にて, プレートを弁尖に固定, coaptation line (C line) および逆流の評価を行った. 結果一樹脂接着例では, 50%にて逆流...

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Published in人工臓器 Vol. 28; no. 2; pp. 432 - 435
Main Authors 石田, 良一, 井手, 博文, 笹川, 成, 藤木, 達雄, 須藤, 憲一, 野中, 健史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.04.1999
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.28.432

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Summary:僧帽弁閉鎖不全症, 特に前尖逸脱例における僧帽弁形成術の簡素化にむけて, 弁尖逸脱部位に金属薄層プレート固定を行い, 弁形成術を行う方法を考案した. 実験一ブタ摘出心12個を用いた. 生理食塩水を経大動脈弁的に90mm H2O圧にて, 左室に注入し, 僧帽弁閉鎖モデルを作成した. 正常僧帽弁の観察から, 弁尖形状に一致した三次元構造を有するステンレス製薄層プレートを作成した. 前尖腱索断裂モデル作成後, 8例にて合成樹脂接着法, 4例にて縫合接着法にて, プレートを弁尖に固定, coaptation line (C line) および逆流の評価を行った. 結果一樹脂接着例では, 50%にて逆流阻止, 縫合接着例では全例逆流阻止が可能であった. また, 逆流阻止例では, C lineの正常化が認められたのに対し, 逆流残存例では, C line該当部位の, 直線化等の異常が認められた. 結語-本法の僧帽弁形成術の一手法としての可能性が示唆された.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.28.432