びまん性汎細気管支炎と診断して6年後に開胸肺生検を行いえた1症例
症例は51歳・男性, 既往歴に慢性副鼻腔炎がある. 1983年6月, 咳嗽・喀痰・呼吸困難を主訴に入院. 理学的所見, 胸部X線・CT像, 経気管支肺生検 (TBLB) 所見などからびまん性汎細気支炎 (DPB) と診断され, 以後, 慢性副鼻腔炎・鼻中隔蛮曲症に対する手術, 縁膿菌ワクチン, アンピシリン, エリスロマイシンなどの投与を受けた. その後, 約6年を経過して施行された後縦隔腫瘍の手術に際し, 開胸肺生検を行う機会を得た. 臨床所見は各種の治療で軽快しており, 病理学的には, 呼吸細気管支壁およびその周囲に限局する線維化所見と, ごく軽度の単核細胞の浸潤・泡沫細胞の集籏を認めた....
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 29; no. 7; pp. 893 - 899 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.07.1991
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.29.893 |
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Summary: | 症例は51歳・男性, 既往歴に慢性副鼻腔炎がある. 1983年6月, 咳嗽・喀痰・呼吸困難を主訴に入院. 理学的所見, 胸部X線・CT像, 経気管支肺生検 (TBLB) 所見などからびまん性汎細気支炎 (DPB) と診断され, 以後, 慢性副鼻腔炎・鼻中隔蛮曲症に対する手術, 縁膿菌ワクチン, アンピシリン, エリスロマイシンなどの投与を受けた. その後, 約6年を経過して施行された後縦隔腫瘍の手術に際し, 開胸肺生検を行う機会を得た. 臨床所見は各種の治療で軽快しており, 病理学的には, 呼吸細気管支壁およびその周囲に限局する線維化所見と, ごく軽度の単核細胞の浸潤・泡沫細胞の集籏を認めた. 臨床所見と併せ, この形態像はDPB病変が修復された状態を示唆するものと考えられた. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.29.893 |