真性腸石を伴ったメッケル憩室炎の1例

症例は33歳の男性で, 平成17年10月下旬に下腹部痛, 嘔吐が出現した. 翌日, 症状が増悪したため, 当院受診し緊急入院となった. 腹部単純X線検査で骨盤腔内に石灰化像を認めた. 腹部CTでは骨盤腔内に小腸の腸間膜対側に接する嚢胞様の腫瘤があり, 内部に石灰化を伴っていた. 石灰化を伴ったメッケル憩室炎を疑い, 99mTcシンチグラフィーを行うも99mTcの集積は認めなかった. 入院翌日に反跳痛を認めたため, 緊急手術を行った. 腸石を伴ったメッケル憩室炎であったため, 憩室切除術を行った. 結石分析ではシュウ酸カルシウム結石であった. 腸石は真性腸石と仮性腸石に分類されるが, 臨床で経験...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 101 - 106
Main Authors 尾形, 高士, 山田, 裕史, 鈴木, 芳明, 青木, 利明, 加藤, 文昭, 寿美, 哲生, 青木, 達哉, 安田, 祥浩, 土田, 明彦, 高木, 眞人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2007
Online AccessGet full text
ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.40.101

Cover

More Information
Summary:症例は33歳の男性で, 平成17年10月下旬に下腹部痛, 嘔吐が出現した. 翌日, 症状が増悪したため, 当院受診し緊急入院となった. 腹部単純X線検査で骨盤腔内に石灰化像を認めた. 腹部CTでは骨盤腔内に小腸の腸間膜対側に接する嚢胞様の腫瘤があり, 内部に石灰化を伴っていた. 石灰化を伴ったメッケル憩室炎を疑い, 99mTcシンチグラフィーを行うも99mTcの集積は認めなかった. 入院翌日に反跳痛を認めたため, 緊急手術を行った. 腸石を伴ったメッケル憩室炎であったため, 憩室切除術を行った. 結石分析ではシュウ酸カルシウム結石であった. 腸石は真性腸石と仮性腸石に分類されるが, 臨床で経験されるのはほとんどが仮性腸石である. 今回, 極めてまれな真性腸石を伴ったメッケル憩室炎の症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.40.101