慢性呼吸不全に伴う肺高血圧に及ぼす Nifedipine の影響 安静時および運動負荷時の酸素投与による影響との比較
慢性呼吸不全に伴う肺高血圧を軽減し, 以って右心機能を改善させるため, 血管拡張剤であるCa++拮抗剤 Nifedipine の及ぼす影響を安静時と運動負荷時に分けて, 酸素投与による影響との比較の下に検討した. 慢性呼吸不全10症例を対象として, 仰臥位にて Swan-Ganz thermodilution catheter 検査施行下に15~30 watt の constant load 法を用い, 室内空気呼吸下の安静時と運動負荷時を対照値とし, 酸素投与 (1~2L/min) 下と Nifedipine 舌下投与 (10mg) 下それぞれの安静時と運動負荷時の肺循環・血液ガス諸量を比較...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 26; no. 8; pp. 805 - 811 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.08.1988
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.26.8_805 |
Cover
Summary: | 慢性呼吸不全に伴う肺高血圧を軽減し, 以って右心機能を改善させるため, 血管拡張剤であるCa++拮抗剤 Nifedipine の及ぼす影響を安静時と運動負荷時に分けて, 酸素投与による影響との比較の下に検討した. 慢性呼吸不全10症例を対象として, 仰臥位にて Swan-Ganz thermodilution catheter 検査施行下に15~30 watt の constant load 法を用い, 室内空気呼吸下の安静時と運動負荷時を対照値とし, 酸素投与 (1~2L/min) 下と Nifedipine 舌下投与 (10mg) 下それぞれの安静時と運動負荷時の肺循環・血液ガス諸量を比較検討した. (1) Nifedipine は安静時・運動負荷時共に肺動脈平均圧, 全肺血管抵抗の有意低下, 及び心拍出係数・酸素運搬能の有意増加をきたし, かっPaO2・PvO2の悪化をもたらさなかった. (2) 酸素投与による影響と比較した場合, Nifedipine は安静時・運動負荷時共に全肺血管抵抗の有意低下・心拍出係数の有意増加を示し, 安静時の酸素運搬能も有意増加をみた. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.26.8_805 |