独立した回路を用いた逆行性脳灌流法 内頸静脈穿刺による
弓部大動脈再建を要する手術の補助手段として, 現在我々は内頸静脈直接穿刺による新しい逆行性脳灌流法を行っている. この穿刺法を紹介するとともにその有用性に関して報告する. 麻酔導入後, 左右いずれかの内頸静脈穿刺により11.5Frブラッドアクセスカテールを同部に留置し脳灌流送血路とする. さらに肺動脈閉塞用7.5Frスワンガンツカテーテルを上大静脈に留置する. 逆行性脳灌流開始時に, スワンガンツカテーテルのバルーンを上大静脈内で拡張させ閉塞し逆行性脳灌流が有効に行なわれるように工夫した. 逆行送血は単独でポンプを増設し通常の人工心肺回路に接続した. 本法は従来の方法に較べ内頸静脈弁の存在の有...
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Published in | 人工臓器 Vol. 25; no. 3; pp. 622 - 625 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.06.1996
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.25.622 |
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Summary: | 弓部大動脈再建を要する手術の補助手段として, 現在我々は内頸静脈直接穿刺による新しい逆行性脳灌流法を行っている. この穿刺法を紹介するとともにその有用性に関して報告する. 麻酔導入後, 左右いずれかの内頸静脈穿刺により11.5Frブラッドアクセスカテールを同部に留置し脳灌流送血路とする. さらに肺動脈閉塞用7.5Frスワンガンツカテーテルを上大静脈に留置する. 逆行性脳灌流開始時に, スワンガンツカテーテルのバルーンを上大静脈内で拡張させ閉塞し逆行性脳灌流が有効に行なわれるように工夫した. 逆行送血は単独でポンプを増設し通常の人工心肺回路に接続した. 本法は従来の方法に較べ内頸静脈弁の存在の有無や体位にかかわらず少ない流量で安定した脳灌流が維持できた. また, 術野での回路が簡素化し繁雑な操作を要せず術者は手術に専念できる. 内頸静脈直接穿刺による本法は胸部大動脈手術の際, 簡便で有用な補助手段であると思われる. |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.25.622 |