残胃のリンパ流に関する研究

イヌを用いて胃幽門側部分切除を施行し, 術後6ヵ月目に残胃漿膜下に色素を注入して残胃のリンパ流を実験的に検索した.実験群は, (1) 左胃動脈下行枝切離 (n=16), (2) 左胃動脈根部切離 (n=14), (3)(2) +第3群までのリンパ節摘出 (n=15), (4)(2) +第2群までのリンパ節摘出 (n=16) の4群に分けて施行した.(1) 群ではリンパ流の変化はほとんど無かった.(2)(3)(4) 群ではリンパ路の遮断のため副リンパ路による新生リンパ路が出現していたが, No.(8)(12)(13) のリンパ節摘出の有無にて (2)(3)(4) 群の残胃リンパ流に差違がみられた...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 19; no. 3; pp. 636 - 644
Main Authors 志村, 秀彦, 有馬, 純孝, 梅野, 寿実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1986
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.19.636

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Summary:イヌを用いて胃幽門側部分切除を施行し, 術後6ヵ月目に残胃漿膜下に色素を注入して残胃のリンパ流を実験的に検索した.実験群は, (1) 左胃動脈下行枝切離 (n=16), (2) 左胃動脈根部切離 (n=14), (3)(2) +第3群までのリンパ節摘出 (n=15), (4)(2) +第2群までのリンパ節摘出 (n=16) の4群に分けて施行した.(1) 群ではリンパ流の変化はほとんど無かった.(2)(3)(4) 群ではリンパ路の遮断のため副リンパ路による新生リンパ路が出現していたが, No.(8)(12)(13) のリンパ節摘出の有無にて (2)(3)(4) 群の残胃リンパ流に差違がみられた.また, リンパ節摘出のみでは正常のリンパ流を回復する傾向がみられた.残胃のリンパ流を知るには初回の手術法を確実に把握する必要がある.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.19.636