HLAとサルコイドーシス

サルコイドーシス (サ症) 114例を対象とし, HLAクラスIおよびII抗原頻度を検討した. 健康成人478名の成績を対照として用いた. サ症では対照群に比べてHLA A1, Bw46, CX46, DRw8, w9, w52が有意に高頻度であった. しかし, HLA A1陽性症例は3例のみであり, Bw46, CX46が高頻度であったのはDRw8と連鎖不平衡にあるためと考えられた. そこでDR抗原とサ症臨床所見の関連について検討した. DRw52陽性例はDR抗原を検索出来たサ症113例中84例 (74.3%) ともっとも多く, DRw52の有無で臨床像に差異があるか否か検討したが, 性,...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 26; no. 9; pp. 983 - 988
Main Authors 荒川, 啓基, 加村, 弘美, 赤座, 達也, 伊奈, 康孝, 森下, 宗彦, 宮地, 厚雄, 柿原, 秀敏, 千田, 喜博, 高田, 勝利, 山本, 正彦, 浅井, 学, 鳥井, 義夫, 佐道, 理文, 野田, 正治
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.09.1988
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.26.9_983

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Summary:サルコイドーシス (サ症) 114例を対象とし, HLAクラスIおよびII抗原頻度を検討した. 健康成人478名の成績を対照として用いた. サ症では対照群に比べてHLA A1, Bw46, CX46, DRw8, w9, w52が有意に高頻度であった. しかし, HLA A1陽性症例は3例のみであり, Bw46, CX46が高頻度であったのはDRw8と連鎖不平衡にあるためと考えられた. そこでDR抗原とサ症臨床所見の関連について検討した. DRw52陽性例はDR抗原を検索出来たサ症113例中84例 (74.3%) ともっとも多く, DRw52の有無で臨床像に差異があるか否か検討したが, 性, 年齢, stage, ツ反, 血清ACE値, 末梢血リンパ球数, 他臓器病変の有無, 臨床経過に両群間で差を認めなかった. DRw52は, DR3, 5, w6, w8を含むので次に, DRw52陽性例を用いて, DR抗原と臨床像の関連について検討した結果, DR5陽性例は陰性例に比べて若年発症例が多く経過も良好であった.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.26.9_983