肺動脈原発肉腫の1剖検例
39歳の男性. 労作時の息切れ, 動悸を主訴に近医受診. 胸部X線写真, 心電図, 心エコー検査にて心拡大と右室肥大を指摘される. 症状が進行性に増悪するため慢性肺血栓塞栓症を疑われ当科紹介となる. 肺血流シンチグラムでは左肺血流の完全欠損と右肺上葉の一部に血流欠損を認めた. 胸部造影CTにて, 肺動脈主幹部と左右肺動脈の内腔に腫瘤性病変を認め, DSAによる肺動脈造影では左肺動脈の完全閉塞と右肺動脈の著明な狭窄がみられた. さらに, MRIでは腫瘤性病変の壁外への浸潤が疑われ, 悪性腫瘍が考えられたが診断は確定できなかった. 入院後も右心不全は増悪し約2ヵ月後に死亡した. 剖検では肺動脈内腔...
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| Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 6; pp. 785 - 789 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.06.1993
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| Subjects | |
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| ISSN | 0301-1542 1883-471X |
| DOI | 10.11389/jjrs1963.31.785 |
Cover
| Summary: | 39歳の男性. 労作時の息切れ, 動悸を主訴に近医受診. 胸部X線写真, 心電図, 心エコー検査にて心拡大と右室肥大を指摘される. 症状が進行性に増悪するため慢性肺血栓塞栓症を疑われ当科紹介となる. 肺血流シンチグラムでは左肺血流の完全欠損と右肺上葉の一部に血流欠損を認めた. 胸部造影CTにて, 肺動脈主幹部と左右肺動脈の内腔に腫瘤性病変を認め, DSAによる肺動脈造影では左肺動脈の完全閉塞と右肺動脈の著明な狭窄がみられた. さらに, MRIでは腫瘤性病変の壁外への浸潤が疑われ, 悪性腫瘍が考えられたが診断は確定できなかった. 入院後も右心不全は増悪し約2ヵ月後に死亡した. 剖検では肺動脈内腔より壁外性に浸潤する腫瘍がみられ病理診断は肺動脈原発肉腫であった. |
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| ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
| DOI: | 10.11389/jjrs1963.31.785 |