肝原発mucosa-assosiated lymphoid tissueリンパ腫の1切除例
症例は71歳の男性で,肝S4S8に4 cm大の腫瘤を指摘された.US上,境界不明瞭な低エコー像を呈し,CT上の造影効果は微弱で,CT during arterio-portgraphy(以下,CT-APと略記)上,門脈血流も低下していた.また,Gd-EOB-DTPA MRI早期相で弱く造影された.HBc抗体陽性でHBVの既感染も疑い,高分化型肝細胞癌と診断し肝中央二区域切除を行った.腫瘍は4×2 cm大で,割面は白色充実成分と肝実質成分のまだら状を呈した.病理組織学的検査で腫瘍部はびまん性小型リンパ球浸潤を認め,それらの多くは免疫染色検査上,CD20,bcl-2陽性のBリンパ球であり,muco...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 46; no. 1; pp. 50 - 57 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.01.2013
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2012.0039 |
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Summary: | 症例は71歳の男性で,肝S4S8に4 cm大の腫瘤を指摘された.US上,境界不明瞭な低エコー像を呈し,CT上の造影効果は微弱で,CT during arterio-portgraphy(以下,CT-APと略記)上,門脈血流も低下していた.また,Gd-EOB-DTPA MRI早期相で弱く造影された.HBc抗体陽性でHBVの既感染も疑い,高分化型肝細胞癌と診断し肝中央二区域切除を行った.腫瘍は4×2 cm大で,割面は白色充実成分と肝実質成分のまだら状を呈した.病理組織学的検査で腫瘍部はびまん性小型リンパ球浸潤を認め,それらの多くは免疫染色検査上,CD20,bcl-2陽性のBリンパ球であり,mucosa-assosiated lymphoid tissue(以下,MALTと略記)リンパ腫と診断された.肝原発悪性リンパ腫はまれであり,中でもMALTリンパ腫の報告は極めて少なく,診断を中心に報告する. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2012.0039 |