足関節に生じた色素性絨毛結節性滑膜炎 (PVS) の一症例
「はじめに」我々は比較的稀と思われる足関節発生の色素性絨毛結節性滑膜炎Pigmented Villonodular synovitis(以下PVS)1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」53歳, 女性「主訴」右足関節外側の慢性腫脹及び運動後疼痛「現病歴」平成11年初め頃より右足関節外側の腫脹及び運動後疼痛が徐々に出現. その後も持続するため平成12年5月19日当院初診となる. 明らかな外傷歴はなく, その他の既往歴も認めず. 趣味はマラソンで, 毎日5km走っているという. 「初診時」右足関節外果を中心に後外側腫脹を認め, 同部に可動性を有する弾性硬の腫瘤を触知した. 足...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 4; pp. 782 - 785 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2002
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.51.782 |
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Summary: | 「はじめに」我々は比較的稀と思われる足関節発生の色素性絨毛結節性滑膜炎Pigmented Villonodular synovitis(以下PVS)1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」53歳, 女性「主訴」右足関節外側の慢性腫脹及び運動後疼痛「現病歴」平成11年初め頃より右足関節外側の腫脹及び運動後疼痛が徐々に出現. その後も持続するため平成12年5月19日当院初診となる. 明らかな外傷歴はなく, その他の既往歴も認めず. 趣味はマラソンで, 毎日5km走っているという. 「初診時」右足関節外果を中心に後外側腫脹を認め, 同部に可動性を有する弾性硬の腫瘤を触知した. 足関節の可動域制限は認めず. 穿刺にて排液は認めなかった. レントゲン上, 距腿関節は正常であるが, 腓骨遠位前方に骨嚢腫様打ち抜き像を認めた(図1). MRI像は明らかな腫瘤の同定は不能であった. 「経過」その後も徐々に腫脹の範囲が増大した為, 腫脹自覚後2年にあたる平成13年11月29日右足関節滑膜切除術施行. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.51.782 |