踵骨脱臼骨折の 1 例

「はじめに」踵骨脱臼骨折の報告例は極めて少ない, 今回我々は, 踵骨脱臼骨折の1例を経験したので報告する. 症例 症例:32才, 男性. 現病歴:トラックの荷台で作業中に転落しそうになり, 自ら飛び降りた際に左足関節を捻り受傷した. 受傷直後に当院へ搬送された. 初診時所見:左後足部に腫脹, 著明な変形を認めた. 神経障害は認めなかった. 初診時画像所見:単純X線にて踵骨骨折, 距踵関節の不整像を認めた. CT水平断像にて踵骨は外側に脱臼し外果直下に位置していた. さらに外果にも裂離骨折を認めた(図1-a,b). 治療経過踵骨脱臼骨折, 腓骨遠位端裂離骨折と診断し直ちに静脈麻酔下に徒手整復を行...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 2; pp. 328 - 330
Main Authors 尾上, 英俊, 伊藤, 滋敏, 神戸, 太一, 木村, 一雄, 唐島, 大節, 篠田, 毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2005
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.54.328

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Summary:「はじめに」踵骨脱臼骨折の報告例は極めて少ない, 今回我々は, 踵骨脱臼骨折の1例を経験したので報告する. 症例 症例:32才, 男性. 現病歴:トラックの荷台で作業中に転落しそうになり, 自ら飛び降りた際に左足関節を捻り受傷した. 受傷直後に当院へ搬送された. 初診時所見:左後足部に腫脹, 著明な変形を認めた. 神経障害は認めなかった. 初診時画像所見:単純X線にて踵骨骨折, 距踵関節の不整像を認めた. CT水平断像にて踵骨は外側に脱臼し外果直下に位置していた. さらに外果にも裂離骨折を認めた(図1-a,b). 治療経過踵骨脱臼骨折, 腓骨遠位端裂離骨折と診断し直ちに静脈麻酔下に徒手整復を行った. 整復後の単純X線で距踵関節, 踵立方関節の不整像は消失し脱臼は整復された. 受傷後8日目に手術を施行した. 内側の転位が大きい為に, 内側進入にて骨折部から関節面を整復してK-wireで固定した. 整復により生じた骨欠損部にはボンフィル顆粒を充填した. また, 載距突起部の固定は行わなかった(図2-a,b).
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.54.328