後方進入脊椎短縮術を行った骨粗鬆症性椎体骨折例の検討

「はじめに」骨粗鬆症性椎体骨折は日常診療でよく遭遇する疾患であり, 多くは保存療法で治癒する. しかし, 神経障害が発生した場合には手術療法を考慮する必要がある. 今回, 神経障害を伴った骨粗鬆症性椎体骨折に対して, 棘突起ワイヤリングを用いて後方進入脊椎短縮術を行った症例を検討したので報告する. 対象および方法 対象は2000年6月以降に手術を行った9(男性1, 女性8)例で, 年齢76(64-85)歳, 骨折部位はT12:2例, T12とL1の2椎体が骨折していたもの3例, L1:2例, L2, L3が各1例であった. 術後経過観察期間は平均17か月であった. 手術法は, 後方進入で椎弓切...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 3; pp. 430 - 432
Main Authors 永田, 見生, 佐藤, 公昭, 横須賀, 公章, 神保, 幸太郎, 朴, 珍守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2005
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.54.430

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Summary:「はじめに」骨粗鬆症性椎体骨折は日常診療でよく遭遇する疾患であり, 多くは保存療法で治癒する. しかし, 神経障害が発生した場合には手術療法を考慮する必要がある. 今回, 神経障害を伴った骨粗鬆症性椎体骨折に対して, 棘突起ワイヤリングを用いて後方進入脊椎短縮術を行った症例を検討したので報告する. 対象および方法 対象は2000年6月以降に手術を行った9(男性1, 女性8)例で, 年齢76(64-85)歳, 骨折部位はT12:2例, T12とL1の2椎体が骨折していたもの3例, L1:2例, L2, L3が各1例であった. 術後経過観察期間は平均17か月であった. 手術法は, 後方進入で椎弓切除を行い, 後側方から椎体後壁に到達した. 原則として, 椎体後壁が全体的に脊椎管に突出するタイプでは上下の椎間板 椎体終板を含めて切除した. 椎体後壁の突出が上方あるいは下方のみのタイプでは1椎間のみの操作とし, 切除骨を椎体間に移植した. 用手的に背部を圧迫して後弯を矯正し, 罹患椎上下の棘突起をワイヤーで締結した. 切除骨に余裕があれば, 後側方に骨移植を追加した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.54.430