状態方程式による多成分系油層シミュレーションのための効率的な相平衡計算
多成分系シミュレーターによってガスコンデンセート層等の挙動予測を行う場合, 計算時間を許容内に押さえるため, 流体をいくつかの擬似成分で表すのが一般的であるが, その場合, 流体組成の詳細なデータが損なわれるのが欠点である。 本論文は多成分系シミュレーターにおける状態方程式の計算法の精度と速度を評価し, モデルの計算効率を向上させることを目的とする。そのため, ここでは相平衡計算法として逐次代入反復法 (SSI), SSIと最小変数ニュートン•ラフソン法の組合せ法 (SSI+MVNR), および直接法とMVNRの組合せ法 (DFC+MVNR) を, 未知数の削減が可能な一般化 Michelse...
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Published in | 石油学会誌 Vol. 44; no. 4; pp. 244 - 251 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
公益社団法人 石油学会
01.07.2001
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ISSN | 0582-4664 |
DOI | 10.1627/jpi1958.44.244 |
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Summary: | 多成分系シミュレーターによってガスコンデンセート層等の挙動予測を行う場合, 計算時間を許容内に押さえるため, 流体をいくつかの擬似成分で表すのが一般的であるが, その場合, 流体組成の詳細なデータが損なわれるのが欠点である。 本論文は多成分系シミュレーターにおける状態方程式の計算法の精度と速度を評価し, モデルの計算効率を向上させることを目的とする。そのため, ここでは相平衡計算法として逐次代入反復法 (SSI), SSIと最小変数ニュートン•ラフソン法の組合せ法 (SSI+MVNR), および直接法とMVNRの組合せ法 (DFC+MVNR) を, 未知数の削減が可能な一般化 Michelsen 法の形で組込むことにより多成分系モデルを構築した。 各相平衡計算法を評価するために, ガスコンデンセート層における単一坑井モデルを設定し, 擬似成分数を変えて計算を行った。SSI+MVNRおよびDFC+MVNRでパラメーターを削減すると, 相平衡計算時間は, 特に擬似成分数が多い場合, 従来法に比べて格段に減少することを確認した。また, 未知数の数が少ないほど計算時間も減少するが, 相互作用パラメーター (BIP) を全てゼロにすると, 1成分以上にBIPを設定した場合とは異なる結果となることを確認した。 |
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ISSN: | 0582-4664 |
DOI: | 10.1627/jpi1958.44.244 |