胸腺腫の外科治療
胸腺腫の外科治療成績について検討した.1983年以降, 手術した胸腺腫は27例で, 正岡分類I期8例, II期9例, III期9例, IVa期1例であった.II期以上の浸潤性胸腺腫が19例を占めた.治療は27例中25例に胸腺全摘と周囲組織の合併切除を行い, 浸潤例に対しては術後照射を併用した.1例は亜全摘, 1例はバイパス手術の後に各々術後照射を追加した.胸腺全摘症例は術後再発なく生存しているが, 亜全摘, バイパス手術の症例は各々術後1年6カ月, 6カ月で腫瘍死した.胸腺腫では完全切除が重要で, 術後照射の併用で良好な予後が期待できる.胸膜播種や広範な大血管浸潤により, 不完全切除となった症...
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| Published in | 北関東医学 Vol. 43; no. 4; pp. 411 - 414 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
北関東医学会
01.07.1993
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| Subjects | |
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| ISSN | 0023-1908 1883-6135 |
| DOI | 10.2974/kmj1951.43.411 |
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| Summary: | 胸腺腫の外科治療成績について検討した.1983年以降, 手術した胸腺腫は27例で, 正岡分類I期8例, II期9例, III期9例, IVa期1例であった.II期以上の浸潤性胸腺腫が19例を占めた.治療は27例中25例に胸腺全摘と周囲組織の合併切除を行い, 浸潤例に対しては術後照射を併用した.1例は亜全摘, 1例はバイパス手術の後に各々術後照射を追加した.胸腺全摘症例は術後再発なく生存しているが, 亜全摘, バイパス手術の症例は各々術後1年6カ月, 6カ月で腫瘍死した.胸腺腫では完全切除が重要で, 術後照射の併用で良好な予後が期待できる.胸膜播種や広範な大血管浸潤により, 不完全切除となった症例には, 術後照射に加えて, 化学療法の併用も必要である. |
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| ISSN: | 0023-1908 1883-6135 |
| DOI: | 10.2974/kmj1951.43.411 |