難治性胸水に対する胸腔鏡補助下,胸腔・腹腔シャント術の経験 黄色爪症候群症例の1例
症例は56歳,男性.50歳頃よりBronchiolitis obliterans organizing pneumonia(BOOP)の診断で,約4年間のステロイドの投与を受けていた.53歳頃より左胸水の出現と手足の爪の黄色肥厚を認め,54歳頃からは両側胸水を認めるようになった.55歳時,黄色爪症候群と診断され,適時胸腔穿刺が行われていた.その後,胸水の増量速度の増加に伴って労作時呼吸困難が進行したため,胸水のコントロールを目的に当科を紹介された.2006年1月,局所麻酔下に胸腔鏡検査を行った後,胸腔・腹腔シャント術を行った.難治性胸水に対する胸腔鏡を併用したシャント挿入術は,至適挿入部位の確...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 21; no. 4; pp. 565 - 570 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.05.2007
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.21.565 |
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Summary: | 症例は56歳,男性.50歳頃よりBronchiolitis obliterans organizing pneumonia(BOOP)の診断で,約4年間のステロイドの投与を受けていた.53歳頃より左胸水の出現と手足の爪の黄色肥厚を認め,54歳頃からは両側胸水を認めるようになった.55歳時,黄色爪症候群と診断され,適時胸腔穿刺が行われていた.その後,胸水の増量速度の増加に伴って労作時呼吸困難が進行したため,胸水のコントロールを目的に当科を紹介された.2006年1月,局所麻酔下に胸腔鏡検査を行った後,胸腔・腹腔シャント術を行った.難治性胸水に対する胸腔鏡を併用したシャント挿入術は,至適挿入部位の確認,ドレナージ効果の予測,さらに他疾患の除外診断に有効であった. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.21.565 |