免疫学的便潜血検査2日法による大腸がん検診の評価

免疫2日法による地域集検発見大腸癌 (集検群) 585例と病院発見有症状大腸癌 (病院群) 303例を比較し, 大腸がん検診の有効性について検討した。 進行度を比較すると, 集検群は病院群より早期の段階 (深達度の浅い状態) で発見されていた。これを反映して, sm以深の大腸癌の5年生存率は集検群82.5%, 病院群59.5%と, 集検群の予後は病院群に比し有意に良好であった。また, 比例ハザードモデルにより, 性, 年齢, 部位, 組織型で補正し, 集検群の病院群に対する大腸癌死亡のハザード比を算出すると, 0.333と有意に低値となった。すなわち, 集検群の予後は病院群より? 好であること...

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Published in消化器集団検診 Vol. 36; no. 6; pp. 640 - 649
Main Authors 山下, 和良, 樋渡, 信夫, 野口, 哲也, 長川, 史, 島田, 剛延, 菅原, 伸之, 相田, 重光, 山崎, 日出雄, 熊谷, 裕司, 池田, 卓, 阿部, 慎哉, 森元, 富造, 豊田, 隆謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器がん検診学会 15.11.1998
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ISSN0287-6132
2186-7313
DOI10.11404/jsgcs1982.36.6_640

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Summary:免疫2日法による地域集検発見大腸癌 (集検群) 585例と病院発見有症状大腸癌 (病院群) 303例を比較し, 大腸がん検診の有効性について検討した。 進行度を比較すると, 集検群は病院群より早期の段階 (深達度の浅い状態) で発見されていた。これを反映して, sm以深の大腸癌の5年生存率は集検群82.5%, 病院群59.5%と, 集検群の予後は病院群に比し有意に良好であった。また, 比例ハザードモデルにより, 性, 年齢, 部位, 組織型で補正し, 集検群の病院群に対する大腸癌死亡のハザード比を算出すると, 0.333と有意に低値となった。すなわち, 集検群の予後は病院群より? 好であることが示唆された。性・年齢階級別に検討したところ, 50~70歳代にかけては検診の有効性が示唆されたが, 40歳代と80歳以上の年齢階級では症例数が少なく, 今後更に症例数を蓄積し検討する必要があると思われた。
ISSN:0287-6132
2186-7313
DOI:10.11404/jsgcs1982.36.6_640