食道癌のsalvage手術として縦隔鏡下食道切除術を施行した2例
食道癌の化学放射線療法後のsalvage手術は侵襲が大きく, 手術関連死も含めて合併症が多いことが知られている. 治療の選択肢が多様化してきた現在, 侵襲の少ないsalvage手術術式の確立が必要と考える. 今回, 我々は中下部食道癌のsalvage手術として縦隔鏡下食道切除術を2例経験したので報告する. 症例1はstage IIの食道癌と診断され, 化学放射線療法を施行されたが, 非奏効と診断され当科紹介. 化学放射線療法後のhigh risk症例で病変が下部食道に限局していたため, 縦隔鏡下食道切除術を施行. 術後, 縫合不全を認めたものの保存的に軽快した.症例2はstage IIの食道癌...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 41; no. 1; pp. 29 - 34 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.41.29 |
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Summary: | 食道癌の化学放射線療法後のsalvage手術は侵襲が大きく, 手術関連死も含めて合併症が多いことが知られている. 治療の選択肢が多様化してきた現在, 侵襲の少ないsalvage手術術式の確立が必要と考える. 今回, 我々は中下部食道癌のsalvage手術として縦隔鏡下食道切除術を2例経験したので報告する. 症例1はstage IIの食道癌と診断され, 化学放射線療法を施行されたが, 非奏効と診断され当科紹介. 化学放射線療法後のhigh risk症例で病変が下部食道に限局していたため, 縦隔鏡下食道切除術を施行. 術後, 縫合不全を認めたものの保存的に軽快した.症例2はstage IIの食道癌と診断され, 化学放射線療法を施行. 途中, 食道穿孔と縦隔炎を発症したが保存的治療にて軽快. 食道狭窄症状が増悪したため当科紹介. 化学放射線療法後の食道穿孔を伴うhigh risk症例であり, 縦隔鏡下食道切除術を施行. 合併症なく経過し第15病日に退院した. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.41.29 |