再切除しえた肝内胆管癌の1例

症例は70歳の女性で, 2001年9月, 他院において肝右葉の肝内胆管癌の診断で肝右葉切除術を受けた. 初回手術時進行度はt2, n0, m0, stage IIであったが, sm (+)となった. 術中に癌露出部は癌細胞の遺残を疑い, マイクロウェイブにて焼灼された. 術後6か月経過した2002年3月, 残肝切除断端の再発を疑われ当院紹介受診. 術後の変化とも考えられ経過観察していたところ, 1年後には病変部の増大を認めた. 他病変を認めないことから残肝再発に対して2003年4月, 肝S4+S1の亜区域切除+肝外胆管切除術を施行. 肉眼的には前回手術時右グリソン断端部に一致して長径2.5cm...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 63 - 68
Main Authors 成本, 壮一, 滝口, 伸浩, 竜, 崇正, 山本, 宏, 趙, 明浩, 早田, 浩明, 森, 幹人, 貝沼, 修, 永田, 松夫, 浅野, 武秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2007
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.40.63

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Summary:症例は70歳の女性で, 2001年9月, 他院において肝右葉の肝内胆管癌の診断で肝右葉切除術を受けた. 初回手術時進行度はt2, n0, m0, stage IIであったが, sm (+)となった. 術中に癌露出部は癌細胞の遺残を疑い, マイクロウェイブにて焼灼された. 術後6か月経過した2002年3月, 残肝切除断端の再発を疑われ当院紹介受診. 術後の変化とも考えられ経過観察していたところ, 1年後には病変部の増大を認めた. 他病変を認めないことから残肝再発に対して2003年4月, 肝S4+S1の亜区域切除+肝外胆管切除術を施行. 肉眼的には前回手術時右グリソン断端部に一致して長径2.5cmの境界明瞭な白色結節を認めた. 病理組織学的検索では中分化型腺癌s0, n0, vp0, va0, b0, sm (+)であった. 肝内胆管癌再発と診断した. 術後2年11か月経過したが再々発を認めない.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.40.63