悪性再発をきたした乳腺葉状腫瘍の1例
症例は59歳女性. 既往歴として56歳時右乳腺良性葉状腫瘍にて腫瘤摘除術を, 58歳時右乳腺腫瘍にて腫瘤摘除術を施行された. 平成11年5月ころから右乳房腫瘤に気付き, 7月ころから増大傾向を認めたため9月に当科を受診した. 右CA領域に7.0×7.2cm, 弾性硬で表面平滑の腫瘍を認め, 術前検査にて葉状腫瘍と診断し腫瘍摘除術を施行した. 病理組織学は悪性葉状腫瘍であった. DNA ploidy解析はdiploid patternであった. 術後3カ月現在再発はみられていない. 葉状腫瘍は一般的には病理組織学的悪性度が低い腫瘍とされているが, 悪性のみならず良性例でも局所再発が高率に認められ...
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Published in | 医療 Vol. 54; no. 10; pp. 457 - 461 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.10.2000
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.54.457 |
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Summary: | 症例は59歳女性. 既往歴として56歳時右乳腺良性葉状腫瘍にて腫瘤摘除術を, 58歳時右乳腺腫瘍にて腫瘤摘除術を施行された. 平成11年5月ころから右乳房腫瘤に気付き, 7月ころから増大傾向を認めたため9月に当科を受診した. 右CA領域に7.0×7.2cm, 弾性硬で表面平滑の腫瘍を認め, 術前検査にて葉状腫瘍と診断し腫瘍摘除術を施行した. 病理組織学は悪性葉状腫瘍であった. DNA ploidy解析はdiploid patternであった. 術後3カ月現在再発はみられていない. 葉状腫瘍は一般的には病理組織学的悪性度が低い腫瘍とされているが, 悪性のみならず良性例でも局所再発が高率に認められること, 局所再発するたびに病理組織学的悪性度が増すなどの特徴がある, しかし予後の悪い遠隔再発は, 局所に再発して悪性化を来したものにはなく, 葉状腫瘍の既往のないいわゆるde novo発生の悪性例と考えられている. したがって当症例のような悪性再発がかならずしも予後不良を意味するものではないと思われた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.54.457 |