水溶液系におけるイオン種の分離 多孔質電極を用いる簡易電気泳動装置を適用して

水溶液系におけるイオン種の分離において,多孔質材を電極として用いる電気泳動装置の適用を提案し,その可能性および操作因子等について検討した.電極として,炭素多孔質材,ステンレス板,チタン板,チタン粉末充填体,および白金めっき炭素多孔質材を選択し,通電条件を種々変化させて回分実験を行った.被検水として硫酸アンモニウム溶液を使用し,通電時の電極セルにおけるイオン種(NH4+とSO42-)濃度の変化を観察した.電極として炭素多孔質材を用いることによりイオン濃度は減少し,その速度は電圧と電流に依存して変化した.また,白金めっき炭素多孔質電極を用いたところイオン濃度の減少速度は上昇した.電極を炭素多孔質体...

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Published in環境技術 Vol. 38; no. 3; pp. 212 - 218
Main Authors 田中, 恒夫, 吉田, 享史, 杉戸, 千裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 環境技術学会 20.03.2009
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ISSN0388-9459
1882-8590
DOI10.5956/jriet.38.212

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Summary:水溶液系におけるイオン種の分離において,多孔質材を電極として用いる電気泳動装置の適用を提案し,その可能性および操作因子等について検討した.電極として,炭素多孔質材,ステンレス板,チタン板,チタン粉末充填体,および白金めっき炭素多孔質材を選択し,通電条件を種々変化させて回分実験を行った.被検水として硫酸アンモニウム溶液を使用し,通電時の電極セルにおけるイオン種(NH4+とSO42-)濃度の変化を観察した.電極として炭素多孔質材を用いることによりイオン濃度は減少し,その速度は電圧と電流に依存して変化した.また,白金めっき炭素多孔質電極を用いたところイオン濃度の減少速度は上昇した.電極を炭素多孔質体からチタン粉末充填体へ変更した結果,イオン濃度の減少速度は低下した.電極に板材を用いた実験では,イオン濃度の減少は認められなかった.本実験より,白金めっき炭素多孔質電極を使用することにより電気泳動装置の分離性能は安定すると考えられた
ISSN:0388-9459
1882-8590
DOI:10.5956/jriet.38.212