EVCPP(Dor手術)症例における心筋保護法の検討

【要旨】虚血性心筋症に対するEVCPP(Endo-ventricular Circular Patch Plasty:Dor手術)を経験したので,同手術における心筋保護法を中心に検討した。対象は1998.11から2002.12までにDor手術を施行した19例で,術前LVEF22.9±6.1%,LVESVI117.2±41.9mL/m2であった。心筋保護法として,逆行性/順行性,血液/BCP,常温/低温,持続的/間歇的冠灌流を相補的・効率的・合理的に連合させたIntegrated Myocardial Management(IMM)を用いた。術後EFは37.6±11.7%に改善した。ESVIは5...

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Published in体外循環技術 Vol. 31; no. 2; pp. 173 - 176
Main Authors 石田, 絢也, 前中, 則武, 岡本, 史之, 小林, 暦光, 千葉, 二三夫, 根本, 貴史, 那須, 敏裕, 中川, 博視, 麻生, 剛, 千葉, 直樹, 渡部, 悟, 中村, 雅則, 今野, 裕嗣, 古川, 博一, 菅原, 誠一, 中西, 克彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 01.06.2004
日本体外循環技術研究会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.31.173

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Summary:【要旨】虚血性心筋症に対するEVCPP(Endo-ventricular Circular Patch Plasty:Dor手術)を経験したので,同手術における心筋保護法を中心に検討した。対象は1998.11から2002.12までにDor手術を施行した19例で,術前LVEF22.9±6.1%,LVESVI117.2±41.9mL/m2であった。心筋保護法として,逆行性/順行性,血液/BCP,常温/低温,持続的/間歇的冠灌流を相補的・効率的・合理的に連合させたIntegrated Myocardial Management(IMM)を用いた。術後EFは37.6±11.7%に改善した。ESVIは58.0±41.9mL/m2へと左室が効果的に縮小された。また術後補助循環を必要とした症例はなく,病院死も認めなかった。これは,大動脈遮断時間が194.9±49.5分と長時間であったにも拘らず,心筋の実質虚血時間が69.7±32.4分と短時間であり,また,正確な境界線決定と確実な心筋保護により,心筋を最大限に保護・温存し得たことを反映しているものと考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.31.173