心房細動からみた成人心房中隔欠損症の外科治療

30歳以上の心房中隔欠損症 (ASD) 108例を対象とし, 術後遠隔期の心房細動 (Af) の有無, 心胸郭比 (CTR), 自覚症状及び合併症より, 成人例の手術時期を検討した.遠隔期には, 退院時のAfが4例で洞調律となり, また退院後に4例が新たにAfに移行した.Afとなった4例では術前の左房径 (平均44mm) とCTR (平均59%) はAfのない症例に比べて有意に (P<0.01及びP<0.05) 大きかった.不整脈の自覚, 手足のしびれ等の自覚症状や要通院の率では, 遠隔期にAfを有する症例が洞調律例に比べて有意に (P<0.01) 高かった.New York...

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Published in北関東医学 Vol. 42; no. 1; pp. 31 - 36
Main Authors 吉田, 一郎, 津田, 京一郎, 柳沢, 肇, 安斉, 徹男, 飯島, 哲夫, 大滝, 章男, 森下, 靖雄, 坂田, 義行, 石川, 進, 浜田, 芳郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.01.1992
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.42.31

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Summary:30歳以上の心房中隔欠損症 (ASD) 108例を対象とし, 術後遠隔期の心房細動 (Af) の有無, 心胸郭比 (CTR), 自覚症状及び合併症より, 成人例の手術時期を検討した.遠隔期には, 退院時のAfが4例で洞調律となり, また退院後に4例が新たにAfに移行した.Afとなった4例では術前の左房径 (平均44mm) とCTR (平均59%) はAfのない症例に比べて有意に (P<0.01及びP<0.05) 大きかった.不整脈の自覚, 手足のしびれ等の自覚症状や要通院の率では, 遠隔期にAfを有する症例が洞調律例に比べて有意に (P<0.01) 高かった.New York Heart Association機能分類では洞調律例の84%がI度であったのに対し, Af症例の48%はII度に留まっていた.中高年のASD症例は, 左房拡大を来す以前に手術を施行すべきである.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.42.31