アルギン酸ナトリウムあるいは低分子化アルギン酸ナトリウムのラット血清と肝臓脂質濃度および肝臓脂肪合成に及ぼす影響

アルギン酸ナトリウム(SA)および低分子化アルギン酸ナトリウム(Low-SA)のラット脂質代謝に及ぼす影響を検討した。分子量約2,000,000のSA,分子量約50,000のLow-SAあるいはセルロースを5%レベルで含む0.5%コレステロール(Chol)添加食をSD系雄ラットに4週間自由摂食させた。SA摂取ラットの血清および肝臓Chol濃度はセルロース摂取ラットのそれらと同じであったが,SAを低分子化すると血清と肝臓Chol濃度はSA群に比べて有意に増加し,糞中への総ステロイド排泄は抑制された。SAおよびLow-SA摂取は血清および肝臓トリグリセリド(TG)濃度をセルロース摂取より低下させた...

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Published in日本食物繊維学会誌 Vol. 8; no. 1; pp. 13 - 20
Main Authors 西園, 祥子, 富永, 香織, 牧野, 望, 前浜, 祥子, 奥, 恒行, 田中, 一成, 徳田, 奈緒子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本食物繊維学会 30.06.2004
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ISSN1349-5437
1884-5592
DOI10.11217/jjdf2004.8.13

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Summary:アルギン酸ナトリウム(SA)および低分子化アルギン酸ナトリウム(Low-SA)のラット脂質代謝に及ぼす影響を検討した。分子量約2,000,000のSA,分子量約50,000のLow-SAあるいはセルロースを5%レベルで含む0.5%コレステロール(Chol)添加食をSD系雄ラットに4週間自由摂食させた。SA摂取ラットの血清および肝臓Chol濃度はセルロース摂取ラットのそれらと同じであったが,SAを低分子化すると血清と肝臓Chol濃度はSA群に比べて有意に増加し,糞中への総ステロイド排泄は抑制された。SAおよびLow-SA摂取は血清および肝臓トリグリセリド(TG)濃度をセルロース摂取より低下させた。SA摂取ラット肝臓のFattyacidsynthase活性は低下し,Carnitine palmitoyltranseferase活性は上昇した。また,SAは糞中へのTG排泄を促進した。Low-SA摂取ラットではCarnitinepalmitoyltranseferase活性のみ増加していた。これらの結果より,SAおよびLow-SAは肝臓脂肪酸合成酵素あるいは脂肪酸酸化酵素に影響することによって血清と肝臓TG濃度を低下させるが,SAを低分子化すると糞中への総ステロイド排泄抑制によりSAに比べて血清および肝臓Chol濃度が上昇することが明らかとなった。 本研究は,長崎県地域結集型共同研究事業の1課題として行った。
ISSN:1349-5437
1884-5592
DOI:10.11217/jjdf2004.8.13