嗅上皮に対する免疫組織学的研究

神経特異たんぱく質の一種である神経特異性エノラーゼ, 及びS-100たんぱく質の抗体を用い4種の脊椎動物の嗅粘膜上皮における免疫組織学的検索を行つた. 神経特異性エノラーゼ抗体によつて, ヒト嗅上皮に陽性に染色される細胞がみられた. サルでは, 疑陽性の反応がみられた. ウサギ, ラツトでは染色されなかつた. S-100たんぱく質抗体では, ウサギ嗅上皮に陽性細胞がみられた. さらにSubunit抗体による染色で, α-Subunit抗体に対し陽性細胞がみられた. ラツト, サルでは疑陽性であつた. ヒトでは嗅上皮に陽性細胞はみられなかつたものの, 粘膜下嗅神経系のSchwann細胞が陽性に染...

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Published in医療 Vol. 39; no. 4; pp. 323 - 327
Main Authors 上野, 則之, 後藤, 嘉子, 鳥山, 稔, 大網, 弘, 山本, 悦子, 浅賀, 久照
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.04.1985
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.39.323

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Summary:神経特異たんぱく質の一種である神経特異性エノラーゼ, 及びS-100たんぱく質の抗体を用い4種の脊椎動物の嗅粘膜上皮における免疫組織学的検索を行つた. 神経特異性エノラーゼ抗体によつて, ヒト嗅上皮に陽性に染色される細胞がみられた. サルでは, 疑陽性の反応がみられた. ウサギ, ラツトでは染色されなかつた. S-100たんぱく質抗体では, ウサギ嗅上皮に陽性細胞がみられた. さらにSubunit抗体による染色で, α-Subunit抗体に対し陽性細胞がみられた. ラツト, サルでは疑陽性であつた. ヒトでは嗅上皮に陽性細胞はみられなかつたものの, 粘膜下嗅神経系のSchwann細胞が陽性に染色された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.39.323