脳膿瘍を合併した糖尿病の2剖検例

特異な臨床経過をとり死亡した脳膿瘍を伴う糖尿病の2例を剖検したので報告する. 症例1 47才: 男性, 4年前より糖尿病, 肝硬変の診断のもとにインスリン治療受けるもコントロール不良であつた. 昭和57年2月13日より意識障害出現, 18日には昏睡に陥り, 2月28日死亡した. 2月16日行つた頭部CTでは, 左後頭葉にring enhanced lesionを認めた. 2月25日の腰椎穿刺には著変を認めず, 脳膿瘍と診断し得なかつた. 剖検により左後頭葉に膿瘍を認め, 壊死部にグラム陽性球菌を認めた. 症例2 66才, 女性, 6年前より糖尿病で内服剤治療中であつたがコントロール不良であつた...

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Published in医療 Vol. 40; no. 5; pp. 434 - 439
Main Authors 野間, 興二, 石川, 勝憲, 大村, 一郎, 桐本, 孝次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.05.1986
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.40.434

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Summary:特異な臨床経過をとり死亡した脳膿瘍を伴う糖尿病の2例を剖検したので報告する. 症例1 47才: 男性, 4年前より糖尿病, 肝硬変の診断のもとにインスリン治療受けるもコントロール不良であつた. 昭和57年2月13日より意識障害出現, 18日には昏睡に陥り, 2月28日死亡した. 2月16日行つた頭部CTでは, 左後頭葉にring enhanced lesionを認めた. 2月25日の腰椎穿刺には著変を認めず, 脳膿瘍と診断し得なかつた. 剖検により左後頭葉に膿瘍を認め, 壊死部にグラム陽性球菌を認めた. 症例2 66才, 女性, 6年前より糖尿病で内服剤治療中であつたがコントロール不良であつた. 昭和56年6月27日発熱および意識障害出現, 抗生剤投与で解熱したが, 腎不全出現し腹膜灌流行うも意識レベルはさらに低下し全身痙攣来し死亡. 剖検により脳にはcandida albicansによる多発性微小脳膿瘍を認めた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.40.434