大腿骨頸部骨折患者の歩行能力と膝伸展筋力の関連 ロジスティック解析による検討

大腿骨頸部骨折患者の下肢筋力が退院時歩行能力に及ぼす影響について検討した。対象は大腿骨頸部骨折患者40例で(平均年齢74 ± 10歳,男性3例,女性37例),退院時歩行能力から,歩行自立群と非自立群に分類した。そして両群間で,受傷時年齢,骨折型,手術方法,臥床期間,膝伸展筋力について比較検討した。単変量解析の結果,受傷時年齢,骨折型,膝伸展筋力が歩行能力に有意に関連した。しかし,ロジスティック解析による検討では膝伸展筋力のみが有意な歩行能力の規定要因であった。以上のことから,大腿骨頸部骨折患者の歩行能力には,下肢筋力が独立して影響を及ぼすものと考えられた。...

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Published in理学療法学 Vol. 25; no. 2; pp. 82 - 85
Main Authors 別府, 諸兄, 青木, 治人, 三浦, 直樹, 山崎, 裕司, 網本, 和, 清水, 弘之, 萩原, 洋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 31.03.1998
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001305236

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Summary:大腿骨頸部骨折患者の下肢筋力が退院時歩行能力に及ぼす影響について検討した。対象は大腿骨頸部骨折患者40例で(平均年齢74 ± 10歳,男性3例,女性37例),退院時歩行能力から,歩行自立群と非自立群に分類した。そして両群間で,受傷時年齢,骨折型,手術方法,臥床期間,膝伸展筋力について比較検討した。単変量解析の結果,受傷時年齢,骨折型,膝伸展筋力が歩行能力に有意に関連した。しかし,ロジスティック解析による検討では膝伸展筋力のみが有意な歩行能力の規定要因であった。以上のことから,大腿骨頸部骨折患者の歩行能力には,下肢筋力が独立して影響を及ぼすものと考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001305236