ハンドヘルドダイナモメーターによる坐位保持能力の測定 健常人における加齢的変化

我々はハンドヘルドダイナモメーター(HHD)を使用し左右側方から押した時の最大値を坐位保持能力として採用し,加齢的変化や左右差について検討した。被検者は,健常男性18例,女性21例であった。被検者はティルトテーブルに坐り,膝窩部が端に触れず,足底が床面に接地しない坐位をとった。両上肢は体幹前方で組み,体幹はできる限り垂直に保持するように指示した。検者は被検者の上腕部に側方からHHDを当て,左方と右方からランダムに測定した。坐位を保つことができる範囲まで押し続け,坐骨が坐面から離れたところで押すことを止めた。坐面の測定条件は,水平,被検者の右側拳上,左側拳上とし,挙上角度は10°とした。測定値は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 28; no. 6; pp. 282 - 285
Main Authors 網本, 和, 松澤, 智美, 石黒, 友康, 田中, 彩乃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.10.2001
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00003131789

Cover

More Information
Summary:我々はハンドヘルドダイナモメーター(HHD)を使用し左右側方から押した時の最大値を坐位保持能力として採用し,加齢的変化や左右差について検討した。被検者は,健常男性18例,女性21例であった。被検者はティルトテーブルに坐り,膝窩部が端に触れず,足底が床面に接地しない坐位をとった。両上肢は体幹前方で組み,体幹はできる限り垂直に保持するように指示した。検者は被検者の上腕部に側方からHHDを当て,左方と右方からランダムに測定した。坐位を保つことができる範囲まで押し続け,坐骨が坐面から離れたところで押すことを止めた。坐面の測定条件は,水平,被検者の右側拳上,左側拳上とし,挙上角度は10°とした。測定値は加齢に伴い減少する傾向にあった。また,60〜80歳代では拳上した坐面条件で拳上側から押された場合に左右差がみられる傾向にあった。水平な坐面と傾斜のついた坐面を比較することで,身体能力の低下していく高齢者の坐位保持評価として利用できるのではないかと考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003131789