メシル酸イマチニブによる術前化学療法を施行しpCRが得られた胃原発GIST局所再発の1切除例

症例は78歳の男性で,2004年11月,胃gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)に対して噴門側胃切除術を施行した.免疫組織学的検査でKITおよびCD34が陽性,核分裂像が高度であり高リスクのGISTと診断されたため,術後より1年9か月の間,イマチニブ(400mg/日)の投与を行った.2008年11月の腹部造影CTで残胃に局所再発を認めたため,イマチニブの投与を再開した.投与3か月後の腹部造影CTでは腫瘍の縮小を認め,再手術を施行した.切除標本の病理組織学的検査では,腫瘍細胞は認めず,血管腫様の組織を認めるのみでpathological comple...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 9; pp. 1105 - 1110
Main Authors 桑野, 博行, 前田, 隆雄, 吉田, カツ江, 土屋, 智敬, 木村, 明春, 田中, 寛, 尾辻, 英彦, 櫻川, 忠之, 待木, 雄一, 平松, 聖史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.09.2011
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.44.1105

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Summary:症例は78歳の男性で,2004年11月,胃gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)に対して噴門側胃切除術を施行した.免疫組織学的検査でKITおよびCD34が陽性,核分裂像が高度であり高リスクのGISTと診断されたため,術後より1年9か月の間,イマチニブ(400mg/日)の投与を行った.2008年11月の腹部造影CTで残胃に局所再発を認めたため,イマチニブの投与を再開した.投与3か月後の腹部造影CTでは腫瘍の縮小を認め,再手術を施行した.切除標本の病理組織学的検査では,腫瘍細胞は認めず,血管腫様の組織を認めるのみでpathological complete response(以下,pCRと略記)と判断した.横隔膜と肝外側区への浸潤を伴う再発胃GISTに対して,イマチニブによる術前化学療法を施行後に切除し,pCRが得られた希少な症例を経験したため報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.44.1105