ザルトプロフェン (ペオン錠80) の炎症組織移行性

高齢化社会が進むにつれ種々の関節疾患は増加傾向にあり, その治療薬として非ステロイド性消炎, 鎮痛剤(NSAIDs)が広く用いられている. しかしながら, NSAIDsの使用時には胃腸障害を主訴とする副作用の発現が懸念され, 消化器機能が低下している高齢者などへの使用に際しては注意を要する. 副作用を軽減する因子としては, プロドラッグ化や炎症組織選択性, また, 近年報告されたcyclooxygenase(COX)のisozymeであるCOX-2選択的阻害作用などがあげられ, 以前より注目されていた. そこで, 各種基礎試験において炎症組織選択性を示す1, 2)とともに, COX-2選択的阻...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in炎症 Vol. 18; no. 3; pp. 219 - 226
Main Authors 菅原, 幸子, 千葉, 純司, 石上, 宮子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 30.05.1998
日本炎症学会
Online AccessGet full text
ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.18.219

Cover

More Information
Summary:高齢化社会が進むにつれ種々の関節疾患は増加傾向にあり, その治療薬として非ステロイド性消炎, 鎮痛剤(NSAIDs)が広く用いられている. しかしながら, NSAIDsの使用時には胃腸障害を主訴とする副作用の発現が懸念され, 消化器機能が低下している高齢者などへの使用に際しては注意を要する. 副作用を軽減する因子としては, プロドラッグ化や炎症組織選択性, また, 近年報告されたcyclooxygenase(COX)のisozymeであるCOX-2選択的阻害作用などがあげられ, 以前より注目されていた. そこで, 各種基礎試験において炎症組織選択性を示す1, 2)とともに, COX-2選択的阻害作用を示す3)にとが報告されているザルトプロフェン(製品名:ペオン錠80)を用い, 臨床における炎症組織への移行性を変形性膝関節症を対象に検討するとともに, 有効性と安全性についても検討を行った. ザルトプロフェンは, 1回1錠, 1日3回の用法にて, 慢性関節リウマチ, 変形性関節症, 腰痛症, 肩関節周囲炎, 頸肩腕症候群, 手術後, 外傷後, 抜歯後の消炎, 鎮痛に対し適応を有している.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.18.219