歯周治療へのBone morphogenetic protein (BMP) の応用に関する研究 リコンビナントBMP配合コラーゲン膜による骨形成の観察

本研究は, リコンビナントヒトBMP-2 (rhBMP-2) を歯周治療に応用するため, 担体としてウシ真皮より抽出しテロペプチドを除去したコラーゲンより作製した強化コラーゲン線維膜 (FCM3) を用いた場合の有効性を検討する目的で, 12週齢成体ラットの背部皮下と口蓋部に移植実験を行い, 病理組織学的に評価した。その結果, 移植3週後背部皮下では骨形成はみられなかったが, 口蓋部ではrhBMP-2を1.0μgと2.0μg配合した群で骨形成が観察された。またその骨形成の過程は, 1週目頃担体の外側部で盛んになり, 3週目には母骨と連続し担体周囲を覆い, その後は担体内部へと向かい6週後には母...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 36; no. 1; pp. 56 - 66
Main Authors 久保木, 芳徳, 伊藤, 豊, 加藤, 熈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.03.1994
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.36.56

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Summary:本研究は, リコンビナントヒトBMP-2 (rhBMP-2) を歯周治療に応用するため, 担体としてウシ真皮より抽出しテロペプチドを除去したコラーゲンより作製した強化コラーゲン線維膜 (FCM3) を用いた場合の有効性を検討する目的で, 12週齢成体ラットの背部皮下と口蓋部に移植実験を行い, 病理組織学的に評価した。その結果, 移植3週後背部皮下では骨形成はみられなかったが, 口蓋部ではrhBMP-2を1.0μgと2.0μg配合した群で骨形成が観察された。またその骨形成の過程は, 1週目頃担体の外側部で盛んになり, 3週目には母骨と連続し担体周囲を覆い, その後は担体内部へと向かい6週後には母骨とほぼ一体化していた。炎症反応はほとんどみられなかつた。以上の結果より, FCM3を担体としてrhBMP-2を歯周治療へ応用できる可能性が高いと考えられた。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.36.56