原発巣切除後10年以上経過して左腸腰筋内再発を認めた食道gastrointestinal stromal tumorの1例

食道gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)は消化管GISTの約2%と比較的まれな疾患である.症例は52歳の男性で,平成8年12月上旬より嚥下困難感,心窩部痛,背部痛を自覚し近医受診し,精査にて胸部中部食道に2型の腫瘍を認め当科紹介となった.平成9年2月に根治術を施行し,病理組織学的診断は平滑筋肉腫であった.術後11年10か月目に左腰背部痛を自覚し,精査にて左腸腰筋内腫瘍を認め,平成21年3月に摘出術を施行した.病理組織学的診断はc-kit +,CD34 +,desmin -,αSMA -,S-100 -でありGISTと診断し,また,食道腫瘍を再度病...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 5; pp. 519 - 525
Main Authors 森本, 純也, 六車, 一哉, 久保, 尚士, 八代, 正和, 山下, 好人, 大澤, 政彦, 平川, 弘聖, 澤田, 鉄二, 大平, 雅一, 田中, 浩明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.05.2011
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.44.519

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Summary:食道gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)は消化管GISTの約2%と比較的まれな疾患である.症例は52歳の男性で,平成8年12月上旬より嚥下困難感,心窩部痛,背部痛を自覚し近医受診し,精査にて胸部中部食道に2型の腫瘍を認め当科紹介となった.平成9年2月に根治術を施行し,病理組織学的診断は平滑筋肉腫であった.術後11年10か月目に左腰背部痛を自覚し,精査にて左腸腰筋内腫瘍を認め,平成21年3月に摘出術を施行した.病理組織学的診断はc-kit +,CD34 +,desmin -,αSMA -,S-100 -でありGISTと診断し,また,食道腫瘍を再度病理組織学的検査を施行したところ,同様の結果であり,今回の左腸腰筋内腫瘍は食道GISTの再発と診断された.術後経過良好で現在,外来にてメシル酸イマチニブ400mg/dayの補助化学療法を開始し経過観察中である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.44.519