腰椎部ダンベル腫瘍の2例
後方進入で固定術を併用せず一期的に摘出しえた腰椎部ダンベル腫瘍の2例について報告した.対象は63歳女と25歳男で, 共にEden type IIの腰椎部ダンベル腫瘍であった.手術は後方正中切開で進入し, 部分椎弓切除と関節突起間部切除を行い腫瘍に到達した.硬膜縦切開と神経上膜切開を行い, 腫瘍を剥離し, 摘出した.切開した硬膜と神経上膜を閉鎖し, 関節突起間部に棘突起で作製した小骨片をワイヤーで固定し閉創した.病理組織診断は神経鞘腫と神経線維腫であった.今回切除した腫瘍の大きさの特徴は, (1) 頭尾側でほぼ横突起問の距離で, (2) 外側は横突起の先端までで, (3) 前方は腸腰筋内に留まる...
Saved in:
Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 48; no. 4; pp. 305 - 309 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
北関東医学会
01.07.1998
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.48.305 |
Cover
Summary: | 後方進入で固定術を併用せず一期的に摘出しえた腰椎部ダンベル腫瘍の2例について報告した.対象は63歳女と25歳男で, 共にEden type IIの腰椎部ダンベル腫瘍であった.手術は後方正中切開で進入し, 部分椎弓切除と関節突起間部切除を行い腫瘍に到達した.硬膜縦切開と神経上膜切開を行い, 腫瘍を剥離し, 摘出した.切開した硬膜と神経上膜を閉鎖し, 関節突起間部に棘突起で作製した小骨片をワイヤーで固定し閉創した.病理組織診断は神経鞘腫と神経線維腫であった.今回切除した腫瘍の大きさの特徴は, (1) 頭尾側でほぼ横突起問の距離で, (2) 外側は横突起の先端までで, (3) 前方は腸腰筋内に留まる大きさであった.この程度の大きさの腰椎部ダンベル腫瘍であれば, 固定術を併用せずに椎間可動性を損なうことなく, 後方から一期的に腫瘍摘出が可能と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.48.305 |