尿路結石症の発生原因に関する検討 (第4報) 食事が尿中排泄物質に及ぼす影響と食事指導について
食事が尿中排泄物質 (とくに蓚酸) に及ばす影響について検討した. 1) 健康成人男子9名に16時間の絶食の後普通食を与えると, Ca排泄量は食後2~4時間目にピークをしめし, 蓚酸は食後4~6時間目にはじめて有意に増加した. 食事負荷による食後6時間の増加分は, Ca 38.4%, 蓚酸11.8%, 尿酸7.1%, Mg 27.8%で, 普通食が尿中蓚酸排泄量に及ぼす影響はCaに比べてはるかに少なかった. 2) 健康成人男子11名に一定の朝食と, 昼食として標準食, 高蓚酸食 (標準食+ホウレンソウの油イタメ150g), 高蓚酸高蛋白食を負荷した. 高蓚酸食負荷により蓚酸排泄量は標準食の約2...
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| Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 76; no. 3; pp. 293 - 302 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
社団法人 日本泌尿器科学会
1985
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-5287 1884-7110 |
| DOI | 10.5980/jpnjurol1928.76.3_293 |
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| Summary: | 食事が尿中排泄物質 (とくに蓚酸) に及ばす影響について検討した. 1) 健康成人男子9名に16時間の絶食の後普通食を与えると, Ca排泄量は食後2~4時間目にピークをしめし, 蓚酸は食後4~6時間目にはじめて有意に増加した. 食事負荷による食後6時間の増加分は, Ca 38.4%, 蓚酸11.8%, 尿酸7.1%, Mg 27.8%で, 普通食が尿中蓚酸排泄量に及ぼす影響はCaに比べてはるかに少なかった. 2) 健康成人男子11名に一定の朝食と, 昼食として標準食, 高蓚酸食 (標準食+ホウレンソウの油イタメ150g), 高蓚酸高蛋白食を負荷した. 高蓚酸食負荷により蓚酸排泄量は標準食の約2倍増加したが, 逆にCa, Mg排泄量は標準食の約半分に減少した. 高蓚酸高蛋白質食を負荷すると, 高蓚酸食負荷時に比べてCa排泄量は有意に増加し, 逆に蓚酸排泄量は有意に減少した. 3) 上記と同じ高蓚酸高蛋白食を absorptive hypercalciuria と診断した男子結石患者13名に負荷したところ, Ca排泄量は対照群より著明に増加していたが, 蓚酸排泄量には差がなかった. 以上の結果ならびに既報の結石患者の食生活調査成績 (日本栄養・食糧学会誌37:1~7, 1984) をもとに, 再発予防法としての食事指導の実際について具体的に述べた. |
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| ISSN: | 0021-5287 1884-7110 |
| DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.76.3_293 |