急性心筋梗塞の長期予後入院中系統的リハビリテーションの長期予後に及ぼす効果 対応のある2群における比較

急性心筋硬塞例に対する入院中系統的リハビリテーションの予後に及ぼす効果を評価する目的で,梗塞のために当科に入院し,当科のリハビリテーション プログラムを施行し,発症後1ヵ月以上生存した290例の長期予後を検討した.施行群の生存率は1年92%, 5年77%, 10年51%で,従来の報告より高い生存率を示し,リハビリテ-ションを含めた治療の進歩によるものと考えられた.心臓死は全死亡の63%を占め,心臓死, cardiac eventsの出現は発症後1~2年に多く認められた. normal survivalとの比較では高令者ほど予後が悪かつた.施行群における65才以下の復職率は70%で,復職例の生存...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 73; no. 12; pp. 1781 - 1788
Main Authors 内田, 宏子, 林, 正博, 荏原, 包臣, 長谷川, 武志, 塩原, 保彦, 丸岡, 隆芳, 中田, 不二男, 庄田, 昌隆, 藤田, 良範, 桑原, 敏樹, 新谷, 博一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.12.1984
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.73.1781

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Summary:急性心筋硬塞例に対する入院中系統的リハビリテーションの予後に及ぼす効果を評価する目的で,梗塞のために当科に入院し,当科のリハビリテーション プログラムを施行し,発症後1ヵ月以上生存した290例の長期予後を検討した.施行群の生存率は1年92%, 5年77%, 10年51%で,従来の報告より高い生存率を示し,リハビリテ-ションを含めた治療の進歩によるものと考えられた.心臓死は全死亡の63%を占め,心臓死, cardiac eventsの出現は発症後1~2年に多く認められた. normal survivalとの比較では高令者ほど予後が悪かつた.施行群における65才以下の復職率は70%で,復職例の生存率は高く,また退院時の運動耐容量が大きい者ほど復職率が高かつた.当科関連病院に入院し,系統的リハビリテーションを施行しなかつた梗塞例49例と,性,年令,発作回数, Peelの予後指数などの背景因子を一致させたリハビリテーション施行群の49例を選び,予後を比較した.生存率は1年施行群98%,非施行群92%, 5年それぞれ90%, 66%で,復職率は施行群70%,非施行群45%と,生存率,復職率とも施行群で高かつたが,統計的に有意差はなかつた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.73.1781