大腿骨頚部骨折術後高齢者が 「生活の折り合い」 に向かう心理的過程 退院1週間前から退院1ヶ月後までの経過

大腿骨頸部骨折で手術を受けた高齢者に焦点を当て,退院1週間前から退院1ヶ月後までの 「生活の折り合い」 に向かう心理的過程を明らかにすることを目的とした。 対象者は高齢患者 (65~82歳) 4名,データは半構成的面接により収集し,分析は内容分析の技法を用いた。 その結果,①「生活の折り合い」 の心理的過程には2つの段階があり,第1段階は 「生活の折り合い」 をつけようとする試み,であった。 第2段階は 「生活の折り合い」 をつける取り組み,で対象者は自尊感情が低下し抑うつ性が高まっていた。②先行研究の2主要因に近似した“障害に伴う生活調整”と“自己尊重感を保証する健康への揺らぎ”がみられた。...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 26; no. 5; pp. 5_73 - 5_86
Main Authors 千葉, 京子, 長江, 弘子, 中村, 美鈴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2003
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20030908005

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Summary:大腿骨頸部骨折で手術を受けた高齢者に焦点を当て,退院1週間前から退院1ヶ月後までの 「生活の折り合い」 に向かう心理的過程を明らかにすることを目的とした。 対象者は高齢患者 (65~82歳) 4名,データは半構成的面接により収集し,分析は内容分析の技法を用いた。 その結果,①「生活の折り合い」 の心理的過程には2つの段階があり,第1段階は 「生活の折り合い」 をつけようとする試み,であった。 第2段階は 「生活の折り合い」 をつける取り組み,で対象者は自尊感情が低下し抑うつ性が高まっていた。②先行研究の2主要因に近似した“障害に伴う生活調整”と“自己尊重感を保証する健康への揺らぎ”がみられた。➂大腿骨頸部骨折高齢者の 「生活の折り合い」 に向かう心理的過程の移行期における看護は,自己効力感を高め抑うつ性を低めていくよう,行動的支援を取り入れ肯定的な行動変化に影響を与える援助が重要と考えられた。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20030908005