IPMN外科的切除術後の経過観察方針
IPMN切除例217例を検討した. 浸潤癌症例では5年生存率39%で, 再発様式は肝転移, 腹膜播種 (局所再発含む) が多かった. 異時性多発に伴う再切除例は5例 (2.3%) で, 主膵管型が多かった. 32例 (15%) に同時性または異時性にIPMN以外の悪性腫瘍を認めた. 以上より, IPMN外科的切除術後の経過観察では, (1) 浸潤癌症例における癌再発予防対策と再発巣の検索, (2) IPMN術後異時性多発, (3) IPMN以外の悪性腫瘍 (膵および他臓器) の併存, に留意すべきである. (1) は補助化学療法などを行いながら, 毎月の腫瘍マーカーの検査, 3カ月毎のCTやM...
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Published in | 膵臓 Vol. 20; no. 6; pp. 538 - 545 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
2005
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Subjects | |
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ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
DOI | 10.2958/suizo.20.538 |
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Summary: | IPMN切除例217例を検討した. 浸潤癌症例では5年生存率39%で, 再発様式は肝転移, 腹膜播種 (局所再発含む) が多かった. 異時性多発に伴う再切除例は5例 (2.3%) で, 主膵管型が多かった. 32例 (15%) に同時性または異時性にIPMN以外の悪性腫瘍を認めた. 以上より, IPMN外科的切除術後の経過観察では, (1) 浸潤癌症例における癌再発予防対策と再発巣の検索, (2) IPMN術後異時性多発, (3) IPMN以外の悪性腫瘍 (膵および他臓器) の併存, に留意すべきである. (1) は補助化学療法などを行いながら, 毎月の腫瘍マーカーの検査, 3カ月毎のCTやMRIなどによる画像検査を行う, (2) は少なくとも年1回はUS, CT, MRI, MRCPなどを用いて残膵の検査を行い, 必要に応じてERPや膵液細胞診を積極的に行う, (3) は見逃しを含めた通常型膵管癌の検索だけでなく, 癌検診などを利用しながら他臓器悪性腫瘍, 特に消化器癌のスクリーニング検査を臓器の特性に応じて, 1~2年に1度は行う必要があると考えられた. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.20.538 |